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運動量の記号がpである理由 📂古典力学

運動量の記号がpである理由

説明

物理学で使われる多くの記号は深く考えずとも、なぜそうなったのかわかる。例えば、力を意味する記号$\mathbf{F}$や、質量、速度、加速度を意味する記号$m$、$\mathbf{v}$、$\mathbf{a}$は、それぞれ英単語force, mass, velocity, accelerationの最初の文字を取ったことが容易に推測できる。しかし、運動量を英語でmomentumというのに、運動量の記号は$\mathbf{p}$である。最初の文字を取って$m$とすると質量の記号と重なるので、他の記号が必要だとは思うが、「なぜ$\mathbf{p}$なのか?」という答えを思いつくのは難しい。このような好奇心は些細なものかもしれないが、納得いく答えを聞くまでずっと頭に浮かんで他のことが手につかない。調べてみると、2つの推測を見つけることができた。私は、最初の仮説がもっともらしいと思う。

impetusから由来した1

ニュートンがプリンキピアを発表した当時、科学界では「物体が動く性質」を意味する単語として「impetus」を使っていたという。‘pellere’はラテン語で「押して前に進ませる」という意味のpelloの動詞原形で、ここからimpetus、push、pulse、pullなどの単語が派生したようだ。そのため、科学界でimpetusという単語を使い、その中心意味を持つpを取って運動量の記号として$\mathbf{p}$を提案したと思われる。

当時はmomentumではなくpmentumだった2

さらに説明することもなく、当時は運動量を意味する英単語がmomentumではなくpimentumだったので、その最初の文字を取って$\mathbf{p}$となったという主張だ。