累乗級数の積分
📂解析学累乗級数の積分
定理
冪級数 n=0∑∞cnxnが∣x∣<Rで収束するとする。そして関数fを次のように定義する。
f(x)=n=0∑∞cnxn∣x∣<R(1)
そうすると、関数fは(−R,R)で積分可能であり、その不定積分は次のようになる。
∫f(x)dx=C+n=0∑∞n+1cnxn+1∣x∣<R(2)
また、fと∫fの収束半径は同じである。
説明
(2)はまるで(1)の無限の項を項ごとに積分したかのような結果を与える。つまり、冪級数を微分するとき多項式を積分するようにしても良いということだ。
∫[n=0∑∞cnxn]dx=n=0∑∞∫cnxndx
注意しなければならないのは∫fの収束半径がfと同じだということだ。これはfと∫fの収束区間が同じであることを意味するものではなく、区間の終点では収束性が異なる可能性がある。
証明
一様収束と積分可能性
区間[a,b]で積分可能な関数列{fn:fn is integrable on [a,b]}が[a,b]でfに一様収束するとする。するとfも[a,b]で積分可能であり、次が成り立つ。
∫abf(x)dx=∫abn→∞limfn(x)dx=n→∞lim∫abfn(x)dx
fN(x)=n=0∑Ncnxnとする。するとfNは[a,b]⊂(−R,R)でfに一様収束する。したがって、上記の補題により次が成り立つ。∣x∣<Rで、
∫f(x)dx=∫n→∞limn=0∑Ncnxndx=N→∞lim∫n=0∑Ncnxndx=C+n→∞limn=0∑Nn+1cnxn+1=C+n=0∑∞n+1cnxn+1
また、n→∞limnn1=1であるため、
n→∞limsupnn∣cn∣=n→∞limsupn∣cn∣
したがって、級数n=0∑∞n+1cn(x−a)n+1の収束半径はfと同じである。
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