ベッセル関数
定義
ベッセル方程式 下の微分方程式を$\nu$次のベッセル方程式と言う。 $$ \begin{align*} x^2 y^{\prime \prime} +xy^{\prime} +(x^2-\nu^2)y&=0 \\ x(xy^{\prime})^{\prime}+(x^2- \nu ^2) y&=0 \\ y^{\prime \prime}+\frac{1}{x} y^{\prime} + \left( 1-\frac{\nu^{2}}{x^{2}} \right)y&=0 \end{align*} $$
説明
関連する関数
第1種ベッセル関数
第1種ベッセル関数 ベッセル方程式の第一の解を$J_{\nu}(x)$と書き、第1種ベッセル関数と呼ぶ。 $$ J_{\nu}(x)=\sum \limits_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^{n} }{\Gamma (n+1) \Gamma (n+\nu+1)} \left(\frac{x}{2} \right)^{2n+\nu} $$
$$ J_{-\nu}(x)=\sum \limits_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}}{\Gamma (n+1)\Gamma (n-\nu+1)} \left( \frac{x}{2} \right)^{2n-\nu} $$
第2種ベッセル関数
第2種ベッセル関数 ベッセル方程式の第二の解を$N_{\nu}(x)=Y_{\nu}(x)$と言い、第2種ベッセル関数、ノイマン関数、ウェーバ関数と呼ぶ。$\nu$が整数でない場合 $$ N_{\nu}(x)=Y_{\nu}(x)=\frac{\cos (\nu \pi)J_{\nu}(x)-J_{-\nu}(x)}{\sin (\nu\pi)} $$ $\nu$が整数の場合、極限で定義する。$\nu\in \mathbb{Z}$と$a \in \mathbb{R}\setminus\left\{\mathbb{Z}\right\}$について $$ N_{\nu}(x)=\lim \limits_{a \rightarrow \nu}N_{a}(x) $$
第3種ベッセル関数
第3種ベッセル関数第1種ベッセル関数と第2種ベッセル関数の下のような線形結合を第3種ベッセル関数またはハンケル関数と呼ぶ。 $$ H_{p}^{(1)}(x)=J_{p}(x)+iN_{p}(x) \\ H_{p}^{(2)}(x)=J_{p}(x)-iN_{p}(x) $$
変形ベッセル関数
変形ベッセル方程式と変形ベッセル関数 下の微分方程式を変形ベッセル方程式と言う。 $$ x^2 y^{\prime \prime} + xy^{\prime}-(x^2-\nu^2)y=0 $$ 変形ベッセル方程式の解は下のようであり、変形ベッセル関数または双曲線ベッセル関数**と呼ばれる。
$$ \begin{align*} I_{\nu}(x)&=i^{-\nu}J_{\nu}(ix) \\ K_{\nu}(x) &= \frac{\pi}{2}i^{\nu+1}\left[ J_{\nu}(ix)+iN_{\nu}(ix) \right] \\ &= \frac{\pi}{2}i^{\nu+1}H_{p}^{(1)}(ix) \\ &=\frac{\pi}{2}\frac{I_{-\nu}(x)-I_{\nu}(x)}{\sin (\nu\pi )} \end{align*} $$
性質
対称性
整数$\nu$に対して以下の式が成立する。
$$ J_{-\nu}(x)=(-1)^{\nu}J_{\nu}(x) $$
再帰関係
ベッセル関数の再帰関係 $$ \begin{align*} & \frac{d}{dx}[x^{\nu} J_{\nu}(x)] =x^{\nu}J_{\nu-1}(x) \\ & \frac{d}{dx}[x^{-\nu}J_{\nu}(x)]=-x^{-\nu}J_{\nu+1}(x) \\ & J_{\nu-1}(x)+J_{\nu+1}(x)=\frac{2\nu}{x}J_{\nu}(x) \\ & J_{\nu-1}(x)-J_{\nu+1}(x)=2J^{\prime}_{\nu}(x) \\ & J_{\nu}^{\prime}(x)=-\frac{\nu}{x}J_{\nu}(x)+J_{\nu-1}(x)=\frac{\nu}{x}J_{\nu}(x)-J_{\nu+1}(x) \end{align*} $$
直交性
次のことが成立する。
$$ \int_{0}^{1} x J_{\nu}(\alpha x) J_{\nu}(\beta x)dx = \begin{cases} 0 &\alpha\ne \beta \\ \frac{1}{2}J^{2}_{\nu+1}(\alpha)=\frac{1}{2}J_{\nu-1}^{2}(\alpha)=\frac{1}{2}J_{\nu^{\prime}}^{2}(\alpha) &\alpha=\beta \end{cases} $$