球面座標系におけるシュレーディンガー方程式
📂量子力学球面座標系におけるシュレーディンガー方程式
方程式について
球座標系ではシュレディンガー方程式は次の通りだ。
−2Mℏ2[r21∂r∂(r2∂r∂ψ)+r2sinθ1∂θ∂(sinθ∂θ∂ψ)+r2sin2θ1∂2ϕ∂2ψ]+Vψ=Eψ(1)
説明
3次元の時間に依存しないシュレディンガー方程式は次の通りだ。
−2Mℏ2∇2ψ+Vψ=Eψ
ここで、Mは粒子の質量だ。ポテンシャルがV=V(r)のように原点からの距離のみに依存するならば、問題を球座標系で解くのが良い。
球座標系でのラプラシアン
∇2f=r21∂r∂(r2∂r∂f)+r2sinθ1∂θ∂(sinθ∂θ∂f)+r2sin2θ1∂ϕ2∂2f
ラプラシアンが上記のようになっているので、シュレディンガー方程式は次の通りだ。
−2Mℏ2[r21∂r∂(r2∂r∂ψ)+r2sinθ1∂θ∂(sinθ∂θ∂ψ)+r2sin2θ1∂2ϕ∂2ψ]+Vψ=Eψ(1)
波動関数ψが以下のように変数分離可能だと仮定しよう。
ψ(r,θ,ϕ)=R(r)Θ(θ)Φ(ϕ)
すると、式(1)は次の通りだ。
−2Mℏ2[r2ΘΦdrd(r2drdR)+r2sinθRΦdθd(sinθdθdΘ)+r2sin2θRΘd2ϕd2Φ]+VRΘΦ=ERΘΦ
右辺の項を左辺に移項し、両辺に−ℏ22Mr2RΘΦ1を掛けて整理すると、以下のようになる。
[R1drd(r2drdR)−ℏ22Mr2(V(r)−E)]+[Θsinθ1dθd(sinθdθdΘ)+Φsin2θ1d2ϕd2Φ]=0
ポテンシャル項と定数が追加されたが、基本的には球面座標系のラプラス方程式を解くことと大きな枠は同じだ。最初の中括弧で囲まれた項は変数rのみに関する項で、第二項は変数θおよびϕのみに影響を受ける項なので、それぞれの中括弧部分は定数だ。最初の項をℓ(ℓ+1)とする。すると第二項は−ℓ(ℓ+1)だ。
R1drd(r2drdR)−ℏ22Mr2(V(r)−E)Θsinθ1dθd(sinθdθdΘ)+Φsin2θ1d2ϕd2Φ=ℓ(ℓ+1)=−ℓ(ℓ+1)(2)(3)
角度に関する方程式(3)の解は特に球面調和関数と呼ばれ、次の通りだ。
Yℓm(θ,ϕ)=eimϕPℓm(cosθ)
(3)からmが直接的に見えないが、変数分離の過程でθとϕを分離定数として現れる。Pℓm(cosθ)は連立レジャンドル多項式だ。規格化すると以下のようになる。
Yℓm(θ,ϕ)=4π2ℓ+1(ℓ+m)!(ℓ−m)!Pℓm(cosθ)eimϕ
次に、残っているのは半径成分の方程式(2)だ。両辺にRを掛けて、右辺にエネルギーEに関する項だけが残るように整理する。
−2Mr2ℏ2drd(r2drdR)+(V−2Mℏ2r2l(l+1))R=ER(4)
この時にrR(r)=u(r)で置換すると、方程式が簡単になる。
RdrdRdrd(r2drdR)=ru=r1drdu−r21u=drd(rdrdu−u)=rd2d2u
よって(4)は以下の通りだ。
⟹−2Mr2ℏ2rdr2d2u+(V−2Mℏ2r2ℓ(ℓ+1))ru−2Mℏ2dr2d2u+(V−2Mℏ2r2ℓ(ℓ+1))u=Eru=Eu
この形は以下の1次元シュレディンガー方程式と非常に似ている。
−2mℏ2dx2d2ψ+Vψ=Eψ
違いはポテンシャルがV=V−2Mℏ2r2ℓ(ℓ+1)に変わったことだけだ。r21に比例する第二項を遠心力項と呼ぶ。u(r)もYlm(cosθ)と同じく規格化条件を満たさなければならない。
∫0∞∣R(r)∣2r2dr=∫0∞∣u(r)∣2dr
V(r)の一般的な解はここまでだ。あとは与えられた問題でポテンシャル関数V(r)が正確に与えられていれば、それに従って解決できる。