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シュレディンガー方程式の導出 📂量子力学

シュレディンガー方程式の導出

概要

  • 時間に無関じたシュレーティンガー方程式 time independent Schrodinger equation

$$ H\psi=\left(-\frac{\hbar^{2}}{2m}\frac{ d ^{2} }{ d x^{2} }+V\right)\psi=E\psi \\ H\psi=\left(-\frac{\hbar^{2}}{2m}\nabla^{2}+V\right)\psi=E\psi $$

  • 時間に依存するシュレーティンガー方程式 time dependent Schrodinger equation

$$ i\hbar\frac{ \partial \psi}{ \partial t}=\left(-\frac{\hbar^{2}}{2m}\frac{ \partial ^{2} }{\partial x^{2} }+V\right)\psi \\ i\hbar\frac{ \partial \psi}{ \partial t}=\left(-\frac{\hbar^{2}}{2m}\nabla^{2}+V\right)\psi $$

シュレーティンガー方程式というのは複素波動関数のエネルギー、位置、時間に関連した偏微分方程式を指すんだ。簡単に言えば古典力学での

$$ F=ma $$

と同じことだ。これを利用して色んなポテンシャル状況での波動関数と波動関数のエネルギーを計算できる。まず波数が$k$で角振動数が$\omega$の時間と位置に関する1次元波動関数は以下のようになる。

$$ \psi (x,t)=e^{i(kx-\omega t)} \tag{1} $$

式を簡単にするために前の定数は省略した。ド・ブロイ関係式は下記のとおりだ。

$$ \lambda=\frac{h}{p} $$

$$ k=\frac{p}{\hbar} \tag{2} $$

プランクの黒体放射とアインシュタインの光電効果から下記の関係式が得られる。

$$ E=h\nu=\hbar \omega \tag{3} $$

$\nu=\frac{\omega}{2\pi}$は粒子の振動数だ。量子力学は波動関数と演算子、固有値方程式を通して記述されるから、これを利用してシュレーティンガー方程式を導出する。

時間に無関じたシュレーティンガー方程式

固有関数を波動関数$\psi$で持ち、固有値を$\psi$のエネルギー$E$として持つエネルギー演算子$E_{op}$を取得することが目的だ。粒子のエネルギーは運動エネルギー+ポテンシャルエネルギーなので

$$ E=\frac{p^{2}}{2m}+V $$

ド・フロイ関係式$(2)$によって$p=k\hbar$だから

$$ E=\frac{\hbar^{2}k^{2}}{2m}+V $$

両辺に波動関数$\psi$を掛けると

$$ \frac{\hbar^{2}k^{2}}{2m}\psi+V\psi=E\psi \tag{4} $$

その時波動関数$(1)$だから

$$ \frac{d^{2}\psi }{dx^{2} }=-k^{2}\psi\quad \implies\quad -\frac{\hbar^{2}}{2m}\frac{d^{2}\psi }{dx^{2} }=\frac{\hbar^{2}k^{2}}{2m}\psi $$

従って$(4)$は

$$ \begin{align*} &&-\frac{\hbar^{2}}{2m}\frac{ d ^{2}\psi}{ dx^{2} }+V\psi=E\psi \\ \implies &&\left(-\frac{\hbar^{2}}{2m}\frac{ d ^{2}}{ dx^{2} }+V\right)\psi=E\psi \end{align*} $$

この式を時間に無関じたシュレーティンガー方程式と呼ぶ。またエネルギーを得るエネルギー演算子

$$ -\frac{\hbar^{2}}{2m}\frac{ d ^{2}}{ dx^{2} }+V=H $$

を簡単に$H$と表記し、ハミルトニアンと呼ぶ。3次元の場合ハミルトニアンとシュレーティンガー方程式は次の通りだ。

$$ H=-\frac{\hbar^{2}}{2m}\nabla^{2}+V $$

$$ \left(-\frac{\hbar^{2}}{2m}\nabla^{2}+V\right)\psi=E\psi \tag{5} $$

$H$を使用して時間に無関じたシュレーティンガー方程式を簡単に表現すると

$$ H\psi=E\psi $$

時間に依存するシュレーティンガー方程式

$(3)$によれば粒子のエネルギーは角振動数$\omega$とプランク定数$\hbar$で表現される。角振動数は波動関数$(1)$を時間に対して微分した時に得られる。 $$ \frac{ \partial \psi}{ \partial t }=-i\omega\psi $$ 従って $$ E\psi=\hbar \omega \psi=i\hbar\frac{ \partial \psi}{ \partial t } $$ これを$(5)$に代入すると時間に依存するシュレーティンガー方程式が得られる。 $$ i\hbar\frac{ \partial \psi}{ \partial t}=\left(-\frac{\hbar^{2}}{2m}\frac{ \partial ^{2} }{ \partial x^{2} }+V\right)\psi \\ i\hbar\frac{ \partial \psi}{ \partial t}=\left(-\frac{\hbar^{2}}{2m}\nabla^{2}+V\right)\psi $$