二つの独立したガンマ分布からのベータ分布の導出
📂確率分布論二つの独立したガンマ分布からのベータ分布の導出
定理
二つの確率変数X1,X2が独立であり、X1∼Γ(α1,1)、X2∼Γ(α2,1)とするならば、
X1+X2X1∼beta(α1,α2)
説明
二つのデータがガンマ分布に従い、独立していれば、その合計の比率を確率分布論を使って説明できるかもしれない。特にガンマ分布は、様々な確率分布間を比較的自由に行き来することができるので、事実として知っておくのが良い。
導出
戦略:ガンマ分布のジョイント密度関数から直接演繹する。
ガンマ分布の定義:k,θ>0に対して、次のような確率密度関数を持つ連続確率分布Γ(k,θ)をガンマ分布という。
f(x)=Γ(k)θk1xk−1e−x/θ,x>0
ベータ分布の定義:α,β>0に対して、次のような確率密度関数を持つ連続確率分布Beta(α,β)をベータ分布という。
f(x)=B(α,β)1xα−1(1−x)β−1,x∈[0,1]
X1,X2は独立なので、hのジョイント密度関数はx1,x2∈(0,∞)に対して次のようになる。
h(x1,x2)=Γ(α1)Γ(α2)1x1α1−1x2α2−1e−x1−x2
ここでY1:=X1+X2およびY2:=X1/(X1+X2)とするとx1=y1y2でありx2=y1(1−y2)なので、
J=y21−y2y1−y1=−y1=0
したがって、Y1,Y2のジョイント密度関数はy1∈(0,∞),y2∈(0,1)に対して
g(y1,y2)===∣y1∣Γ(α1)Γ(α2)1(y1y2)α1−1[y1(1−y2)]α2−1e−y1Γ(α1)Γ(α2)1y1α1+α2−1e−y1⋅y2α1−1(1−y2)α2−1Γ(α1+α2)1y1α1+α2−1e−y1⋅Γ(α1)Γ(α2)Γ(α1+α2)y2α1−1(1−y2)α2−1
Y1,Y2のマージナル密度関数g1,g2は、
g1(y1)=Γ(α1+α2)1y1α1+α2−1e−y1g2(y2)=Γ(α1)Γ(α2)Γ(α1+α2)y2α1−1(1−y2)α2−1
従って、
Y1∼Γ(α1+α2,1)Y2∼beta(α1,α2)
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