ワイエルシュトラスのガンマ関数に対する無限積
📂関数ワイエルシュトラスのガンマ関数に対する無限積
定理
ガンマ関数についてΓ:(0,∞)→Rが成り立つ。
Γ(x)1=xeγxn→∞limk=1∏n(1+kx)e−kx
説明
Γ(x)=∫0∞tx−1e−tdt
ガンマ関数は上記のように定義され、オイラーの極限公式により
Γ(x)=n→∞limx(x+1)(x+2)⋯(x+n)nxn!
も成立する。ここでさらに、ガンマ関数の新しい形としてワイエルシュトラスの無限積がある。これを学ぶことで、我々はガンマ関数の最も有名な形態三つを知ることになる。
証明
定理: 証明は更に補助定理があれば短く終わるが、無理に使わなかった。すぐに補助定理を学ぶことが難しいので、この証明でのみ有効なテクニックが使われた。解析学の少しの知識があれば、証明を理解するのに問題はないはずだ。
オイラーの極限公式によって
Γ(x)1=====n→∞limnxn!x(x+1)(x+2)⋯(x+n)n→∞limxn−x(11+x)(22+x)⋯(nn+x)n→∞limxn−xk=1∏n(1+kx)xn→∞lime−xlogn⋅ex(11+21+⋯n1)⋅e−x(11+21+⋯n1)⋅k=1∏n(1+kx)xn→∞limex(11+21+⋯n1−logn)k=1∏n(1+kx)e−kx
オイラー-マスケローニ定数 γ=n→∞lim(k=1∑n(k1)−lnn) が存在するので、n=1∏∞(1+nx)e−nx の存在を示すだけで証明は完了する。
十分に大きな自然数 n について ln(1+nx)−nx∼−2n2x2 なので
n→∞lim2n2x2nx−ln(1+nx)=====n→∞limn2xn1−n11+nx1n→∞limnx1−1+nx1n→∞limnx(1+nx)1+nx−1n→∞lim1+nx11
p-級数判定法によって、n=1∑∞2n2x2 は収束し、極限比較判定法によって、n=1∑∞{nx−ln(1+nx)} も収束する。一方で
k=1∏∞(1+kx)e−kx=exp(−n=1∑∞{nx−ln(1+nx)})
したがって、k=1∏∞(1+kx)e−kx も収束する。
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関連項目