オイラーのガンマ関数に対する極限公式の導出
📂関数オイラーのガンマ関数に対する極限公式の導出
式
ガンマ関数について Γ:(0,∞)→R が成立する。
Γ(x)=n→∞limx(x+1)(x+2)⋯(x+n)nxn!
説明
以前知っていたガンマ関数は積分形
Γ(x)=∫0∞tx−1e−tdt
で全く異なる形をしていたが、1729年にオイラーが二つの表現が完全に同じであることを証明した。この記事で紹介する導出は元のものより少し簡略化されているが、理解する上で本質的な問題はないだろう。
導出
Γn(x):=∫0ntx−1(1−nt)ndt を e−t=n→∞lim(1−nt)−nとすると
n→∞limΓn(x)===n→∞lim∫0ntx−1(1−nt)ndt∫0∞tx−1e−tdtΓ(x)
となる。一方で、Γn(x)=∫0ntx−1(1−nt)ndt から u=ntへの置換を行うと
Γn(x)===∫0ntx−1(1−nt)ndt∫01(nu)x−1(1−u)nndunx∫01ux−1(1−u)ndu
となる。部分積分法により
===⋮=======∫01ux−1(1−u)ndu[(x1)ux(1−u)n]01−∫01−(x1)uxn(1−u)n−1du(xn)∫01ux(1−u)n−1du(xn)(x+1n−1)∫01ux+1(1−u)n−2du(xn)⋯(x+n−22)∫01ux+n−2(1−u)1du(xn)⋯(x+n−22)(x+n−11)∫01ux+n−1(1−u)0du(xn)⋯(x+n−22)(x+n−11)∫01ux+n−1du(xn)⋯(x+n−22)(x+n−11)[x+n1ux+n]01(xn)⋯(x+n−22)(x+n−11)(x+n1)x(x+1)(x+2)⋯(x+n)n(n−1)(n−2)⋯2⋅1⋅1x(x+1)(x+2)⋯(x+n)n!
を得て、したがって
Γn(x)=nxx(x+1)(x+2)⋯(x+n)n!
を得る。前に Γ(x)=n→∞limΓn(x) であることを示したので、次が成立する。
Γ(x)==n→∞limΓn(x)n→∞limx(x+1)(x+2)⋯(x+n)nxn!
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参考