多次元マップのカオス
定義1
マップの軌道$f : \mathbb{R}^{m} \to \mathbb{R}^{m}$が、次を満たす場合、その軌道$\left\{ \mathbf{v}_{0}, \mathbf{v}_{1}, \cdots \right\}$をカオティックchaoticと言う。
- (i): 漸近周期的ではない。
- (ii): すべての$i = 1,\cdots , m$に対して、$h_{i} ( \mathbf{v}_{0} ) \ne 0$がある。
- (iii): $h_{1} ( \mathbf{v}_{0}) > 0$
- 軌道が有界とは、すべての$n \in \mathbb{N}_{0}$に対して、$\left\| \mathbf{v}_{n} \right\| < M$を満たす$M \in \mathbb{R}$が存在することを意味する。
- $h_{i}(\mathbf{v}_{0})$はリアプノフ指数を指す。
説明
$1$次元マップのカオスとの違いは、ドメインの次元$m$に応じて、$m$個のリアプノフ指数が計算され、すべてのリアプノフ指数が$0$であってはならず、最大のリアプノフ指数が正でなければならない点である。また、リアプノフ指数が2つ以上正の場合は、ハイパーカオスhyper chaosという言葉が使われる。
関連項目
Yorke. (1996). CHAOS: An Introduction to Dynamical Systems: p196. ↩︎