一様可積分性
定義
測度空間 $( X , \mathcal{E} , \mu)$が与えられたとする。
ルベーグ積分可能な関数の集合 $\Phi \subset \mathcal{L}^{1}$が与えられた時、全ての $\varepsilon>0$ に対して、 $$ \mu (E) < \delta \implies \sup_{f \in \Phi} \int_{ E } \left| f \right| d \mu < \varepsilon $$ を満たす $\delta > 0$が存在するならば、$\Phi$は一様積分可能であるという。
説明
一様積分可能性は一様uniformlyという言葉がついている通り、セットの概念で近づいていて、$\Phi$に属していれば、どのような関数でもその$l_{1}$の値を同時に$\varepsilon$より小さくすることができるようにする、つまり狭い$E$、または言い換えれば小さい$\delta > \mu (E)$が存在しなければならない。セットとしてこのように説明すると数学的には厳密かもしれないが、直感的には理解しにくい。関数の集合の例として、シーケンス$\left\{ f_{n} \right\}_{n=1}^{\infty}$を考えれば、次のように説明するともっと理解しやすくなる。 $$ \mu (E) < \delta \implies \sup_{n \in \mathbb{N}} \int_{ E } \left| f_{n} \right| d \mu < \varepsilon $$ しかし、この表示を嫌う理由は、シーケンスが結局はカウンタブルセットであるからだ。様々な理論の基礎になるべき実解析の立場では、可能性を過度に限定している感じは否めない。
一方で、一様積分可能性を考える良い例としては、確率過程論の一様積分可能なマルチンゲールがある。