フレシェ微分
📂バナッハ空間フレシェ微分
定義
二つのバナッハ空間 X,Yと開集合 Ω⊂Xが与えられたとする。すると、関数F:Ω→Yに対して下の条件を満たす有界線形写像 L:X→Yが存在する時、Fがx∈Ωでフレシェ微分可能Frechet differentiableと言われる。
∥y∥→0lim∥y∥∥F(x+y)−F(x)−Ly∥=0
この時、このような線形変換Lは唯一であり、LをxでのFのフレシェ導関数Frechet derivative of F at xと言い、下のように表記する。
L=DF(x)=F′(x)
説明
フレシェ導関数は、全導関数total derivativeをバナッハ空間に一般化したものだ。
ノルム空間を扱うことが自明の時は、フレシェを省略して単に微分可能、導関数と簡単に言う。また、y→0⟹∥y∥→0であるので、下のように表現しても問題ない。
y→0lim∥y∥∥F(x+y)−F(x)−Ly∥=0