有限シグマ測度
📂測度論有限シグマ測度
定義
可測空間 (X,E)が与えられたとする。
- μ(X)<∞のとき、μを有限測度と呼ぶ。
- X=i=1⋃∞Ei,Ei∈E
となる全てのi∈Nに対してμ(Ei)<∞となるとき、シグマ有限測度と呼び、また、順序対(X,E,μ)をシグマ有限測度空間と呼ぶ。
- μ(E)=∞である全てのE∈Eに対して、0<μ(F)<∞を満たすEの部分集合F∈Eが存在するならば、μを準有限semifinite測度と呼ぶ。
- νが与えられた可測空間上の符号付き測度であり、全変動∣ν∣が有限(シグマ有限)測度である場合、νを有限(シグマ有限)測度と呼ぶ。
説明
- 有限測度の代表的な例として確率がある。
- シグマ有限測度は、全集合Xに対する有限測度の条件が緩和されたものである。全集合を構成するEiは有限でなければならないが、その和i∈N∑μ(Ei)まで有限である必要はない。つまり、μ(X)=∞でもμ(X)<∞でも構わない。定義により、μ(X)<∞であるシグマ有限測度は有限測度となる。
- 準有限測度の定義で重要なポイントは、Fが0<μ(F)を満たすという点である。この条件がなければ、シグマ代数には空集合が含まれるため、全ての測度がこの条件を満たすことができる。すべてのシグマ有限測度は準有限測度であるが、逆は成り立たない。
- 下記の条件が等価であることは容易に確認できる。
- (a) νがシグマ有限である。
- (b) ν+、ν−がシグマ有限である。
- (c) ∣ν∣=ν++ν−がシグマ有限である。