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測度論によって定義されるジョイント分布とマージナル分布 📂確率論

測度論によって定義されるジョイント分布とマージナル分布

定義 1

確率空間 $( \Omega , \mathcal{F} , P)$が与えられているとしよう。

  1. 合同分布: $( \Omega , \mathcal{F} , P)$で定義された二つの確率変数$X$と$Y$がある場合、ランダムベクトル$(X,Y) : \Omega \to \mathbb{R}^2$の分布はボレル集合$B \subset \mathcal{B} \left( \mathbb{R}^2 \right)$に対して $$ \begin{align*} P_{(X,Y)} (B) :=& P \left( (X,Y) \in B \right) \\ =& \int_{B} f_{(X,Y)} (x,y) d m_{2} (x,y) \end{align*} $$ として定義され、これを満たす$f_{(X,Y)}$が存在する場合、$X$と$Y$は合同密度を持つと言われる。
  2. 周辺分布: ボレル集合$A \subset \mathbb{R}$に対して、次を周辺分布と呼ぶ。 $$ P_{X} (A) := P_{(X,Y)} ( A \times \mathbb{R} ) \\ P_{Y} (A) := P_{(X,Y)} ( \mathbb{R} \times A ) $$

  • まだ測度論に触れていない場合、確率空間という言葉は無視してもいい。

公式

二つの確率変数の和$X+Y$について、上記の公式を紹介する。確率変数の和は直接的に平均の概念につながるため、その重要性は非常に大きいと言える。

  • 合同密度を持つ$X$と$Y$に対して、周辺密度は次のように求められる。 $$ f_{X} (x) = \int_{\mathbb{R}} f (X,Y) (x,y) dy \\ f_{Y} (y) = \int_{\mathbb{R}} f (X,Y) (x,y) dx $$

  • $X$と$Y$が合同密度$f_{X,Y}$を持つ場合、 $$ f_{X+Y} (z) = \int_{\mathbb{R}} f_{X,Y} (x , z - x) dx $$

導出

$y ' = x + y$とすると、フビニの定理により、 $$ \begin{align*} f_{X+Y} (z) =& P ( X+Y \le z ) \\ =& P_{X,Y} \left( \left\{ (x,y) : x + y \le z \right\} \right) \\ =& \iint_{ \left\{ (x,y) : x + y \le z \right\} } f_{X,Y} (x,y) dx dy \\ =& \int_{\mathbb{R}} \int_{- \infty}^{z-x} f_{X,Y} (x,y) dy dx \\ =& \int_{- \infty}^{z} \int_{\mathbb{R}} f_{X,Y} (x,y ' - x) dx dy ' \end{align*} $$


  1. Capinski. (1999). Measure, Integral and Probability: p173~174. ↩︎