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相互相関関数 📂統計的分析

相互相関関数

定義 1

$\left\{ X_{t} \right\}_{t=1}^{n}$、$\left\{ Y_{t} \right\}_{t=1}^{n}$を確率過程としよう。

  1. 次のように定義された$\rho_{k}$をラグ$k$の交差相関関数crossという。 $$ \rho_{k} (X,Y) := \text{cor} \left( X_{t} , Y_{t-k} \right) = \text{cor} \left( X_{t+k} , Y_{t} \right) $$
  2. 次のように定義された$r_{k}$をラグ$k$の標本交差相関関数という。 $$ r_{k} := {{ \sum \left( X_{t} - \overline{X} \right) \left( Y_{t-k} - \overline{Y} \right) } \over { \sqrt{ \sum \left( X_{t} - \overline{X} \right)^2 } \sqrt{ \left( Y_{t-k} - \overline{Y} \right)^2 } }} $$

説明

交差相関関数は、二つの時系列データ間の相関関係を理解するための関数だ。時系列に適用される点のみが異なり、式だけ見たらピアソンの相関係数そのものだ。

sCCF $r_{k}$はCCF $\rho_{k}$の推定値で、$\left\{ X_{t} \right\}_{t=1}^{n}$、$\left\{ Y_{t} \right\}_{t=1}^{n}$が定常性を持ちつつ互いに独立していれば、次のように正規分布に従うとされる。 $$ r_{k} \sim N \left( 0 , {{ 1 } \over { n}} \left[ 1 + 2 \sum_{k=1}^{\infty} \rho_{k} ( X , Y) \right] \right) $$ これを利用して回帰分析のように仮説検定を行うことができる。

テスト

$\displaystyle Y_{t} = e_{t} + \sum_{k=0}^{m} \beta_{k} X_{t-k}$としよう。

  • $H_{0}$: $\beta_{k} = 0$ つまり、$X_{t}$と$Y_{t-k}$は相関関係を持たない。
  • $H_{1}$: $\beta_{k} \ne 0$ つまり、$X_{t}$と$Y_{t-k}$は相関関係を持つ。

解釈

帰無仮説の下では、$\rho_{k} ( X , Y) = 0$と同時に$\displaystyle N \left( 0 , {{ 1 } \over { n }} \right)$を仮定し、標準誤差は$\displaystyle {{1} \over {\sqrt{n}}}$となる。したがって、有意水準 $\alpha$で仮説検定を行いたい場合は、$| r_{k} |$が信頼区間上限$\displaystyle {{z_{1- \alpha/2}} \over {\sqrt{n} }}$を超えるか確認すればいい。超えた場合は有意なラグの候補となり、超えなければ相関関係がないとみなされる。

参照


  1. Cryer. (2008). 時系列分析:Rでのアプリケーション(第2版): p261~262. ↩︎