ミンコフスキーの不等式
定理1
$\Omega \subset \mathbb{R}^{n}$を開集合とし、$0 \lt p \lt 1$とする。もし$u, v \in L^p(\Omega)$ならば$u+v \in L^p(\Omega)$である。
説明
これはミンコフスキーの逆不等式と呼ばれる。ミンコフスキーの不等式命題の逆ではなく、不等式の向きが逆であることを意味する。
ミンコフスキーの不等式は、$1 \le p \lt \infty$のときに定義された$\left\| \cdot \right\|_{p}$が三角不等式を満たし$L^{p}$空間のノルムになることを示している。
しかし、逆ミンコフスキーの不等式の場合、$0 \lt p \lt 1$のときに$\left\| \cdot \right\|_{p}$がノルムの定義を満たさず、$L^{p}$はノルム空間ではないことを示している。
証明
$u = v = 0$の場合は自明に成立するので、少なくとも一つの$u, v$が$0$ではないと仮定する。$\left\| |u| + |v| \right\|_{p}^{p}$を計算するために、式を整理すると
また、$u, v$の少なくとも一つが$0$ではないと仮定したので、
この時点で、$p^{\prime}$は共役指数として定義される。したがって、$(p-1)p^{\prime} = p$であり、$|u|, |v| \in L^{p}$の場合は、${|u| + |v| \in L^{p}}$であるので、
上記の二つの不等式から次のことを得る。
これは逆ヘルダーの不等式が成り立つための十分条件である。
$0 < p < 1$であり、$p^{\prime} = \dfrac{p}{p-1} < 0$とする。もし$f \in L^{p}(\Omega)$、${fg\in L^{1}(\Omega)}$であり、
ならば、以下の不等式が成り立つ:
$f = u$とし、$g = \left( |u| + |v| \right)^{p-1}$とする。
同様に、$f = v$とし、$g = \left( |u| + |v| \right)^{p-1}$とする。
上記の二つの不等式を$(1)$に代入すると、
両辺に$\left\| |u| + |v| \right\|_{p}^{-p/p^{\prime}}$をかけると$p - \dfrac{p}{p^{\prime}} = 1$となるので、
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Robert A. Adams and John J. F. Foutnier, それのSobolev Spaces (第2版, 2003), p28 ↩︎