ルベーグ空間における内挿不等式
📂ルベーグ空間ルベーグ空間における内挿不等式
定理
Ω⊂Rnを開集合とする。どんなθに対しても、1≤p<q<r≤∞が0<θ<1で以下の式を満たすとする。
q1=pθ+r1−θ
u∈Lp(Ω)∩Lr(Ω)と仮定する。するとu∈Lq(Ω)が成り立ち、以下の不等式が成立する。
∥u∥q≤∥u∥pθ∥u∥r1−θ
これを補間不等式という。
説明
補間を訳すと、空いている所を埋めるという意味を持つ。
1以上のp,rに対して、u∈Lpでありu∈Lrなら、pとrの間の全てのqに対してu∈Lqが保証される。
証明
まず、与えられた仮定の両辺にqを掛けると、
⟹1=1= pθq+r(1−θ)q θqp1+(1−θ)qr1
なので、θqp1と(1−θ)qr1はヘルダーの不等式を満たす共役指数である。これから、それぞれ以下のように置く。
s=qθpands′=(1−θ)qr
ヘルダーの不等式
あるp1+p′1=1が1≤p,p′<∞である場合、もしu∈Lp(Ω)かつv∈Lp′(Ω)なら、
∫Ω∣u(x)v(x)∣dx≤∥u∥p∥v∥p′
ケース 1.r<∞
∣u∣θq∈Lsであり、∣u∣q(1−θ)∈Ls′であることが確認できる。
uθqss=∫Ω(∣u(x)∣qθ)sdx=∫Ω∣u(x)∣pdx<∞
uq(1−θ)s′s′=∫Ω(∣u(x)∣q(1−θ))s′dx=∫Ω∣u(x)∣rdx<∞
だから、ヘルダーの不等式を使える。∥u∥qqを計算してみると
∥u∥qq==≤=== ∫Ω∣u(x)∣qdx ∫Ω∣u(x)∣θq∣u(x)∣(1−θ)qdxuθqsu(1−θ)qs′by Hoelder’s inequality (∫Ω∣u(x)∣θqsdx)1/s(∫Ω∣u(x)∣(1−θ)qs′dx)1/s′ (∫Ω∣u(x)∣pdx)p1qθ(∫Ω∣u(x)∣rdx)r1(1−θ)q ∥u∥pθq∥u∥r(1−θ)q
両辺の指数にq1を掛けると、
∥u∥q≤∥u∥pθ∥u∥r1−θ
ケース 2.r=∞
仮定の条件がq1=pθである場合だ。同様に、s=θqp=1と置いて、s′=∞であり、1=s1+s′1を満たし、∣u∣θq∈Ls=L1かつ∣u∣(1−θ)q∈Ls′=L∞である。
uθq1=∫Ω∣u(x)∣qθdx=∫Ω∣u(x)∣pdx<∞
もしu∈L∞なら、任意の正数kに対して∣u∣k∈L∞が成り立つことは、∣⋅∣∞の定義から簡単にわかる。(1−θ)>0なので、∣u∣(1−θ)q∈L∞だ。だから、ヘルダーの不等式を使えば
∥u∥qq==≤==== ∫Ω∣u∣qdx ∫Ω∣u∣θq∣u∣(1−θ)qdxuθq1u(1−θ)q∞ (∫Ω∣u∣θqdx)1u(1−θ)q∞ (∫Ω∣u∣pdx)p1qθu(1−θ)q∞ ∥u∥pθqu(1−θ)q∞ ∥u∥pθq ∥u∥∞(1−θ)q
三行目は、ヘルダーの不等式を使えば成立する。最終行は、∥⋅∥∞の性質により成立する。したがって、
∥u∥q≤∥u∥pθ∥u∥∞(1−θ)=∥u∥pθ ∣u∣r(1−θ)
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