Part 1.
固定されたv∈Rnとh>0が与えられたとする。すると補助定理により次が成り立つ。
u(x+hv,t+h)=y∈Rnmin{hL(hx+hv−y)+u(y,t)}≤hL(v)+u(x,t)
補助定理の公式でtの代わりにt+hを、sの代わりにtを入れたものだ。不等式が成立するのは、全てのy∈Rnに対して最小値なので、任意のxをyの場所に代入しても、その値は当然同じか大きいからである。右辺のuを移項してhで割ると、次を得る。
hu(x+hv,t+h)−u(x,t)≤L(v)
この時、左辺は以下の式に置き換えることができる。
hu((x,t)+h(v,1))−u(x,t)
微分するための形に変えたものだ。h+→0になる極限を取ると、次を得る。
⟹⟹(v,1)⋅(Du(x,t),ut(x,t))v⋅Du(x,t)+ut(x,t)ut(x,t)+v⋅Du(x,t)−L(v)≤L(v)≤L(v)≤0
この時、上の式は全てのv∈Rnに対して成り立ち、H(p)=L∗(p)=v∈Rnmax{p⋅v−L(v)}なので、(eq1)によって次が成り立つ。
ut(x,t)+H(Du(x,t))=ut(x,t)+v∈Rnmax{v⋅Du(x,t)−L(v)}≤0
Part 2.
ホップ-ラックスの公式によって、固定されたx、tに対して次を満たすz=zz,t∈Rnが存在する。
u(x,t)=tL(tx−z)+g(z)
全てのyの中で最小値となるようなyをzとしたものだ。そして、固定された0<h<tがあるとし、s=t−h、y=tsx+(1−ts)zとしよう。すると、以下の式が成り立つ。
0<s<t,0<ts<1,tx−z=sy−z
すると
u(x,t)−u(y,s)≥tL(tx−z)+g(z)−[sL(sy−z)+g(z)]=(t−s)L(tx−z)
最初の行は(eq2)とホップ-ラックスの公式によって成り立ち、二番目の行は(eq3)によって成り立つ。この時、s=t−hなので、次が成り立つ。
y=tsx+(1−ts)z=(1−th)x+thz
従って、上の不等式は以下のようになる。
u(x,t)−u(y,s)=u(x,t)−u((1−th)x+thz,t−h)≥hL(tx−z)=(t−s)L(tx−z)
両辺をhで割り、左辺の分子、分母に−1を掛けて微分するための形に整理すると、以下のようになる。
−hu((x,t)−h(tx−z,1))−u(x,t)≥L(tx−z)
上の不等式にh→0+の極限を取ると、以下のようになる。
⟹(tx−z,1)⋅(Du(x,t),ut(x,t))=tx−z⋅Du(x,t)+ut(x,t)tx−z⋅Du(x,t)+ut(x,t)−L(tx−z)≥L(tx−z)≥0
従って、次が成り立つ。
ut(x,t)+H(Du)=ut(x,t)+v∈Rnmax{v⋅Du(x,t)−L(v)}≥ut(x,t)+tx−z⋅Du(x,t)−L(tx−z)≥0
二番目の行はv=tx−zを選ぶと成り立ち、最後の行は(eq4)によって成り立つ。