シンプソンの公式
📂数値解析シンプソンの公式
定義

f:[a,b]→Rが[a,b]で積分可能で、[a,b]をh:=nb−aの間隔で等しく分割したa=x0<⋯<xn=bみたいなノードポイントで割ったとする。以下で定義された数値積分オペレータIn2をシンプソンのルールという。
In2(f):=k=1∑n/23h[f(x2k−2)+4f(x2k−1)+f(x2k)]
定理
f∈C4[a,b]とする。シンプソンのルールのエラーE12と漸近エラーE~n2は以下の通り。
- [1]: E12(f)=−90h5f(4)(ξ)
- [2]: E~n2(f)=−180h4[f(3)(b)−f(3)(a)]
説明
In2(f)を展開すると次のようになる。
In2(f)=3h[f(x0)+4f(x1)+2f(x2)+4f(x3)+2f(x4)+⋯+2f(xn−2)+4f(xn−1)+f(xn)]
確定積分I(f)=∫abf(x)dxの数値積分を求めるために、線形補間を使った台形則とは異なり、二次補間をした方法だ。
特に注目すべき点は、エラーがE12(f)=−90h5f(4)(ξ)として計算されることだが、これは積分のために2次元で補間したにも関わらずfが3次未満の多項式なら、エラーが正確に0になるという意味だ。
証明
[1]
戦略: 二次関数が与えられた関数の二次補間なので、多項式補間の性質を使える。
便宜上c:=(2a+b)と置こう。
I12(f):=(6b−a)[f(a)+4f(c)+f(b)]
これは区間[a,b]でfを二次補間してその関数の積分値としてI(f)を近似したものだ。
ニュートンの差分公式: pn(x)=i=0∑nf[x0,⋯,xi]j=0∏i−1(x−xj)
3点a,c,bとすべてのx∈[a,b]に対してf(x)=p2+1(x)とする。
E12(f):====I(f)−I12(f)∫ab[f(x)−p2(x)]dx∫ab[p2+1(x)−p2(x)]dx∫ab(x−a)(x−c)(x−b)f[a,c,b,x]dx
ここでwを次のように定義する。
w(x):=∫ab(t−a)(t−c)(t−b)dt
(t−a)(t−c)(t−b)はt=cを中心とし奇関数であるため、w(b)=0であり、上端と下端が等しい場合、積分値が0になるので、w(a)=0だ。すると部分積分法と差分に関する微分式に従って
E12(f)===∫abw’(x)f[a,c,b,c]dx[w(x)f[a,c,b,x]]ab−∫abw(x)dxdf[a,c,b,x]dx−∫abw(x)f[a,c,b,x,x]dx
微積分学の基本定理によりw(x)≥0であるので、積分の平均値定理を使える。
積分の平均値定理: 閉区間[a,b]で関数fが連続でw(x)≥0が積分可能ならば、∫abf(x)w(x)dx=f(η)∫abw(x)dxを満たすηが[a,b]に少なくとも一つ存在する。
そして、差分の性質により、
E12(f)===−f[a,c,b,η,η]∫abw(x)dx−24f(4)(ξ)[154h5]−90h5f(4)(ξ)
何らかのη,ξ∈[a,b]が存在することになる。
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証明[2]
戦略: リーマン和を導き出せば、後は微積分学の基本定理によって自然と導かれる。ただし、シンプソンのルールはk=1∑n/2のように加算を行うので、リーマン和を導く過程で22を掛けるトリックが使われる。
定理[1]により、実際のI(f)とIn2(f)の誤差はいくつかのξk∈[x2(k−1),x2k]に対して次のように計算される。
En2(f)==I(f)−In2(f)k=1∑n/2(−90h5f(4)(ξk))
これについて、
n→∞limh4En2(f)======n→∞limh41k=1∑n/2(−90h5f(4)(ξk))n→∞limh4122k=1∑n/2(−90h5f(4)(ξk))−1801n→∞limk=1∑n/22hf(4)(ξk)−1801n→∞limk=1∑n/2n/2b−af(4)(ξk)−1801∫abf(4)(x)dx−1801[f(3)(b)−f(3)(a)]
したがって、
n→∞limEn(f)E~n(f)=1
En2(f)≈E~n2(f)=−180h4[f(3)(b)−f(3)(a)]
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