台形則
📂数値解析台形則
定義

f:[a,b]→Rが[a,b]で積分可能であり、[a,b]をh:=nb−aの間隔でa=x0<⋯<xn=bのようなノードポイントに分割したとする。次のように定義される数値積分オペレーターIn1を台形則と呼ぶ。
In1(f):=k=1∑n2h(f(xk−1)+f(xk))
定理
f∈C2[a,b]とする。台形則のエラーE11とアシンプトティックエラーE~n1は以下の通りである。
- [1]: E11(f)=−121h3f′′(ξ)
- [2]: E~n1(f)=−12h2[f′(b)−f′(a)]
説明
In1(f)を解いてみると次のようになる。
In1(f)=h[21f(x0)+f(x1)+⋯+f(xn−1)+21f(xn)]
台形則は、定積分I(f)=∫abf(x)dxの数値積分を得るための最もシンプルな方法の一つで、区分求積法を知っていればすぐに思い浮かぶ方法でもある。
証明
[1]
戦略:台形は与えられた関数の線形補間であるため、多項式補間の性質を利用することができる。
I11(f):=(2b−a)[f(a)+f(b)]
これは、区間[a,b]でfを線形補間して、その関数の積分値をI(f)に近似したものと見なせる。それならば、実際のI(f)とI11(f)の誤差En1(f)は、あるξ∈[a,b]に対して次のように計算される。
多項式補間:
- [4] 実際の関数との誤差: (n+1)回微分可能なf:R→Rとあるξ∈H{x0,⋯,xn}に対して、fの多項式補間pnはあるt∈Rに対して次を満たす。
f(t)−pn(t)=(n+1)!(t−x0)⋯(t−xn)f(n+1)(ξ)
E11(f):=======I(f)−I11(f)∫ab[f(x)−b−af(b)(x−a)−f(a)(x−b)]dx∫ab[f(x)−p1(x)]dx21f′′(ξ)∫ab(x−a)(x−b)dx[21f′′(ξ)][−61(b−a)3]−121(b−a)3f′′(ξ)−121h3f′′(ξ)
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[2]
戦略:リーマン和を導出すれば、その次は微積分学の基本定理によって自然に演繹される。
定理[1]により、実際のI(f)とIn1(f)の誤差は、あるξk∈[xk−1,xk]に対して次のように計算される。
En1(f)==I(f)−In1(f)k=1∑n(−12h3f′′(ξk))
これに対して
n→∞limh2En1(f)====n→∞limh21k=1∑n(−12h3f′′(ξk))−121n→∞limk=1∑nhf′′(ξk)−121∫abf′′(x)dx−121[f′(b)−f′(a)]
したがって
n→∞limEn(f)E~n(f)=1
En1(f)≈E~n1(f)=−12h2[f′(b)−f′(a)]
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