二項級数の導出
📂解析学二項級数の導出
公式
∣x∣<1 が α∈C に対して
(1+x)α==k=0∑∞(kα)xk1+αx+2!α(α−1)x2+3!α(α−1)(α−2)x3+⋯
負の項級数
(1−x)−α=k=0∑∞(kα+k−1)xk=1+αx+2!α(α+1)x2+3!α(α+1)(α+2)x3+⋯
説明
いわゆるニュートンの二項定理として、無限大や複素数に対して二項展開が一般化されたものと見ることができる。一方で、x,y を使って、私たちに馴染みのある形は次の方法で簡単に導出することができる。
⟹⟹(1+xy)α=x−α(x+y)α=(x+y)α=k=0∑∞(kα)(xy)kk=0∑∞(kα)ykx−kk=0∑∞(kα)xα−kyk
導出
戦略: α に関する関数g(α) を作り、F が連続であることを示す。連続関数が g(α+β)=g(α)g(β) を満たす場合、指数関数に関連した性質を持ち、これを通して左辺に (1+x)α を導く。
g を g(α):=∑k=0∞(kα)xk として定義しよう。
k→∞lim(kα)xk(k+1α)xk+1=k→∞limk+1α−k∣x∣=∣x∣<1
比の法則により、F は C 上で絶対収束しつつ、一様収束し、したがって C 上で連続関数だ。
二つのべき級数の積: f(x):=∑k=0∞akxk と g(x):=∑k=0∞bkxk の収束区間が (−r,r) であり、ck:=∑j=0kajbk−j であるなら、∑k=0∞ckxk は収束区間 (−r,r) 上で f(x)g(x) に収束する。
二項係数の性質: ∑j=0k(k−jα)(jβ)=(kα+β)
g(α)g(β)====k=0∑∞(kα)xkk=0∑∞(kβ)xkk=0∑∞j=0∑k(k−jα)(jβ)xkk=0∑∞(kα+β)xkg(α+β)
連続ホモモルフィズムの性質: 連続関数g:R→(0,∞) がすべての α,β∈R に対して g(α+β)=g(α)g(β) を満たすなら、g(α)=(g(1))α
だから、g(1)=∑k=0∞(k1)=1+x
(1+x)α=g(α)=k=0∑∞(kα)xk
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