加法関数と乗法関数
関数 $f : X \to Y$が与えられたとしよう。$a, b \in X$、$a_{i} \in X\ (i=1,\cdots)$とする。
部分加法関数
関数$f$が下の式を満たす時、部分加法関数subadditive functionという。
$$ f(a+b) \le f(a)+f(b) $$
絶対値が例として挙げられる。
$$ |3+(-4)| \le |3|+|-4| $$
別の例で、$f(x)=2x+3$だとすると
$$ 13=f(2+3) \le f(2)+f(3)=7+9=16 $$
加法関数
関数$f$が下の式を満たす時、加法関数additive functionという。
$$ f(a+b) = f(a)+f(b) $$
部分加法性から等式が成り立つ場合だ。
例えば、$f(x)=4x$とすると
$$ 20=f(2+3)=f(2)+f(3)=20 $$
集合$E_{1},\ E_2$が$E_{1} \cap E_2 = \emptyset$を満たし、$n(E_{i})=E_{i}$の要素の数だとする時
$$ n(E_{1} \cup E_2) = n(E_{1}) + n(E_2) $$
可算部分加法関数
関数$f$が下の式を満たす時、可算部分加法関数countable subadditive/$\sigma$-subadditive functionという。
$$ f \left( \sum_{i=1}^\infty a_{i} \right) \le \sum \limits_{i=1}^\infty f(a_{i}) $$
部分加法性、加法性を見ると、任意の$N$個の要素に対しても成り立つことが分かる。可算個の要素に対して成り立つなら、可算部分加法性を持つと言われる。可算部分加法性を持つ例に外測度がある。
可算加法関数
関数$f$が下の式を満たす時、可算加法関数countable additive/$\sigma$-additive functionという。
$$ f \left( \sum_{i=1}^\infty a_{i} \right) = \sum \limits_{i=1}^\infty f(a_{i}) $$
可算部分加法性から等式が成り立つ場合だ。
別々に識別される要素に対しては、外測度が可算加法性を持つ。$E_{i} \cap E_{j} =\emptyset \quad \forall\ i,j$ならば
$$ \mu^{\ast} \left( \bigsqcup _{i=1}^\infty E_{i} \right) = \sum _{i=1}^\infty \mu^{\ast}(E_{i}) $$
部分乗法関数
関数$f$が下の式を満たす時、部分乗法関数submultiplicative functionという。
$$ f(ab) \le f(a)f(b) $$
上で話した加算に関する性質を乗算に適用したものだ。
乗法関数
関数$f$が下の式を満たす時、乗法関数multiplicative functionという。
$$ f(ab) = f(a)f(b) $$
部分乗法性から等式が成り立つ場合だ。