調和関数のスムージング効果
📂偏微分方程式調和関数のスムージング効果
定理
平均値の性質
u(x)=−∫∂B(x,r)udS=−∫B(x,r)udy
u∈C(Ω)がそれぞれの開いた球 B(x,r)⊂Ωで平均値の性質を満たすとしよう。すると、次が成り立つ。
u∈C∞(Ω)
説明
ハーモニックであるなら、内部が滑らかだということだ。注意点は、境界 ∂Ωでは滑らかさや連続性が保証されないということだ。
証明
ϵ>0が与えられたとしよう。uのϵ-モリフィケーションは次のようになる。
uϵ=ηϵ∗u∈C∞(Ω>ϵ)
この時、Ω>ϵ:={x∈Ω:dist(x,∂Ω)>ϵ}である。そして、x∈Ω>ϵとしよう。すると、次が成り立つ。
uϵ(x)=∫Ωηϵ(x−y)u(y)dy=ϵn1∫Ωη(ϵx−y)u(y)dy=ϵn1∫B(x,ϵ)η(ϵ∣x−y∣)u(y)dy
三つ目の等号は、モリファイアηの定義により球の外では値が0であるため成り立つ。表面積分と半径に関する積分を分けると、次のようになる。
ϵn1∫0ϵη(ϵr)(∫∂B(x,r)udS)dr
平均値の性質を使うと、次のようになる。
ϵn1∫0ϵη(ϵr)(∫∂B(x,r)udS)dr=ϵn1∫0ϵη(ϵr)(nα(n)rn−1nα(n)rn−1∫∂B(x,r)udS)dr=ϵn1∫0ϵη(ϵr)nα(n)rn−1−∫∂B(x,r)u(y)dS(y)dr=ϵn1∫0ϵη(ϵr)nα(n)rn−1u(x)dr=ϵn1u(x)∫0ϵη(ϵr)nα(n)rn−1dr
ここでnα(n)rn−1は半径rの球の表面積であるから、上の積分は以下のように書き換えることができる。
ϵn1u(x)∫B(0,ϵ)η(ϵr)dr=u(x)∫B(0,ϵ)ηϵ(y)dy=u(x)
最後の等号は、ηϵの定義により、球B(r,ϵ)内の積分が1であるため成り立つ。したがって、すべてのϵに対してu=uϵ in Ω>ϵであり、uϵ∈C∞(Ω)であるから、u∈C∞(Ω)
■