一次元波動方程式の導出
概要
一次元の波動方程式wave equationは以下のとおりだ。
$$ \dfrac{\partial ^{2} f }{\partial x^{2}} = \dfrac{1}{v^{2}}\dfrac{\partial ^{2} f}{\partial t^{2}} $$
ここで、$v$は波の伝搬速度を表す。
波の特徴
図1のように、速度が$v$で一定の波があるとしよう。時刻$t$での$x$点の波の変位を$f(x,t)$とする。最初の糸の変位を$g(x)=f(x,0)$としたとき、$t$秒後の糸の変位がどうなるかを知りたい。速度が$v$であるため、$vt$だけ平行移動したことと同じであり、これは図2に示されている。したがって、
$$ \begin{equation} f(x,t)=f(x-vt,0)=g(x-vt) \end{equation} $$
この式は、波動関数が2つの変数$x,\ t$が合わさった$x-vt$のみの関数であることを示している。したがって、$f_{1}$、$f_2$、$f_{3}$は波を表しているが、$f_{4}$、$f_{5}$は波を表していない。
$$ f_{1}=Ae^{-(x-vt)^{2}}, \quad f_2=A\sin\big( 2(x-vt) \big),\quad f_{3}=\dfrac{A}{(x-vt)^{2}-1} \\ f_{4}=Ae^{x(x-vt)},\quad f_{5}=A\cos(x) \cos(xvt) $$
導出
方法1 1
張り詰めた糸の運動を考察することにより、一次元の波動方程式を導き出すことができる。糸が平衡位置から逸脱したとき、長さ$\Delta x$の断片が垂直方向に受ける力を張力$T$で表すと、
$$ \Delta F=T\sin \theta^{\prime} - T\sin \theta $$
$\theta$が十分に小さいとき、$\sin \theta \approx \tan \theta$であるため、上の式は以下のように書くことができる。
$$ \Delta F \approx T(\tan \theta^{\prime} -\tan \theta) $$
$\tan$は勾配(微分)と同じであるため、
$$ \begin{equation} \begin{aligned} \Delta F \approx&\ T(\tan \theta^{\prime} -\tan \theta) \\ =&\ T \big[ f^{\prime}(x+\Delta x) -f^{\prime}(x) \big] \\ \approx&\ T\dfrac{\partial ^{2} f}{\partial x^{2}}\Delta x \quad \end{aligned} \end{equation} $$
糸の単位長さ当たりの質量を$\mu$とする。すると、ニュートンの第二法則$(F=ma)$によれば、
$$ \begin{equation} \begin{aligned} \Delta F =&\ m\Delta a \\ =&\ m \dfrac{\partial^{2} f}{\partial t^{2}} \\ =&\ \mu \Delta x \dfrac{\partial ^{2} f}{\partial t^{2}} \quad \end{aligned} \end{equation} $$
$(1)$及び$(2)$により、
$$ \dfrac{\partial^{2} f}{\partial x^{2}}=\dfrac{\mu}{T} \dfrac{\partial^{2} f}{\partial t^{2}} $$
$\sqrt{\frac{T}{\mu}}=v$と置換すると、
$$ \frac{\partial^{2} f}{\partial x^{2}}=\dfrac{1}{v^{2}}\dfrac{\partial^{2} f}{\partial t^{2}} $$
これを一次元の波動方程式と呼ぶ。この方程式の解は、以下の形を満たさなければならない($t$で二回微分したときに$v^{2}$の項が生じるため)。
$$ f(x,t)=g(x-vt) $$
ここで、このような$v$は、上で議論したように、波の伝搬速度を示していることがわかる。
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David J. Griffiths, 기초전자기학(Introduction to Electrodynamics, 김진승 역) (4th Edition1 2014), p ↩︎