ディラックのデルタ関数の性質
📂関数ディラックのデルタ関数の性質
特性
δ(−x)=δ(x)
δ(kx)=∣k∣1δ(x)
証明
(1) の証明
∫−∞∞f(x)δ(−x)dx を −x≡y に置き換えるとx=−y、dx=−dy となり、
∫−∞∞f(x)δ(−x)dx==== −∫∞−∞f(−y)δ(y)dy ∫−∞∞f(−y)δ(y)dy f(0) ∫−∞∞f(x)δ(x)dx
∫−∞∞f(x)δ(−x)dx=∫−∞∞f(x)δ(x)dx
従って、
δ(−x)=δ(x)
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(2) の証明
∫−∞∞f(x)δ(kx)dx を kx≡y に置き換えると x=k1y、dx=k1y となり、
∫−∞∞f(x)δ(kx)dx=k1∫−∞∞f(k1y)δ(y)dy
しかし、この結果は k>0 の時だけです。k<0 の時は積分区間に注意する必要がある。
k<0 の時 kx≡y に置き換えると x=k1y、dx=k1y となり (x→∞ , y→−∞)、(x→−∞ , y→∞)なので、
∫−∞∞f(x)δ(kx)dx=== k1∫∞−∞f(k1y)δ(y)dy (−k1)(−∫∞−∞f(k1y)δ(y)dy) ∣k∣1∫−∞∞f(k1y)δ(y)dy
従って、全ての実数 k に対して考えると、
∫−∞∞f(x)δ(kx)dx==== ∣k∣1∫−∞∞f(k1y)δ(y)dy ∣k∣1f(0) ∣k∣1∫−∞∞f(x)δ(x)dx ∫−∞∞f(x)∣k∣1δ(x)dx
∫−∞∞f(x)δ(kx)dx=∫−∞∞f(x)∣k∣1δ(x)dx
∴δ(kx)=∣k∣1δ(x)
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