スカラー関数とベクトル値関数
📂多変数ベクトル解析スカラー関数とベクトル値関数
定義
集合 D を n次元のユークリッド空間の部分集合 D⊂Rn とする。
- D を定義域とする関数を多変数関数function of several variablesと呼ぶ。
- f:D→R をスカラー関数scalar functionと呼ぶ。
- スカラー関数 f1,⋯,fm:D→R に対して次のように定義された f:D→Rm をベクトル値関数vector-valued functionと呼ぶ。
f(x1,⋯,xn):=f1(x1,⋯,xn)⋮fm(x1,⋯,xn)
説明
多変数関数
多変数関数を意味する英語には、function of several variables, multivariable function, multivariate function 等がある。
多変数関数という表現は特に微分積分学を含む解析学で使われる。もともとスカラー関数であれベクトル値関数であれ、ただの関数に過ぎないが、その値域を簡単に区別するために使われる言葉だ。線型代数学の観点から見れば、ベクトル値関数が m=1 であればスカラー関数になると言えるので、概念的な差は全くないと言える。
スカラー関数
スカラー関数の例として、F(m,a):=ma を考えることができる。m が質量であろうとa が加速度であろうと、数学者の目には (m,a)∈([0,∞)×R)⊂R2 のような 2次元ベクトルに見えるべきだ。ma は単に2つの実数 m と a の積であり、ma∈R であるため、スカラー関数の条件をよく満たしている。一方、ベクトル解析学では、与えられた空間上の全ての点に対してスカラー値が1つずつ対応している点で、スカラー場scalar fieldとも呼ばれる。
ベクトル値関数
ベクトル値関数の例として、
q(m,v,a):=mamv21mv2
を考えることができる。物理学者の目には、最初の成分から順に力、運動量、運動エネルギーだと思うかもしれないが、ベクトル値関数として考えれば、単に q:D→R3 に過ぎない。一方、ベクトル解析学では、与えられた空間上の全ての点に対してベクトルが1つずつ対応している点で、ベクトル場vector fieldとも呼ばれる。