ピカールの方法
📂微分方程式ピカールの方法
定理
EがRnでオープンであり、f∈C1(E)に関して以下のような初期値問題が与えられているとしよう。
{ϕ˙=f(ϕ)ϕ(0)=ϕ0
関数列 {uk(t)}k=0∞を以下のように定義しよう。
{u0(t)=ϕ0uk+1(t)=ϕ0+∫0tf(uk(s))ds
すると、連続関数u(t):=limk→∞uk(t)は与えられた初期値問題の解である。
説明
当然uは存在するものと仮定し、存在しなければ意味のない定理だ。さらにuは連続でなければならないが、ukが連続である必要はない。このように厳密な数学であると言いながら、ぎこちない部分は通常、この方法が使われる定理で補足される。
証明
=====u(t)k→∞limuk+1(t)k→∞lim(ϕ0+∫0tf(uk(s))ds)ϕ0+∫0tk→∞limf(uk(s))dsϕ0+∫0tf(k→∞limuk(s))dsϕ0+∫0tf(u(s))ds∵continuity of f
t=0ならば、
u(0)=ϕ0+∫00f(u(s))ds=ϕ0+0=ϕ0
微積分学の基本定理によると、関数fが閉区間[a,b]で連続であれば、関数F(x)=∫axf(t)dtは[a,b]で連続であり、(a,b)で微分可能で、
dxdF(x)=f(x)
uが連続であるため、(f∘u)も連続であり、微積分学の基本定理により、
u˙(t)=(ϕ0+∫0tf(u(s))ds)′=f(u(t))
したがって、uは与えられた初期値問題の解であることがわかる。
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