ヘヴィサイド階段関数を微分するとディラックのデルタ関数になることの証明
定理
ヘビサイド階段関数の導関数はディラックのデルタ関数である。
$$ \dfrac{dH}{dx}=\delta (x) $$
この時、$H=H(x)$はヘビサイド階段関数Heaviside step functionまたは単位階段関数unit step function
$$ H(x)=\begin{cases} 1 & x>0 \\ 0 & x \le 0 \end{cases} $$
以下の二つの条件を満たす関数をディラックのデルタ関数と言う。
$$ \begin{equation} \delta (x) = \begin{cases} 0, & x\neq 0 \\ \infty , & x=0 \end{cases} \label{condition1} \end{equation} $$
$$ \begin{equation} \int_{-\infty}^{\infty}{\delta (x) dx}=1 \label{condition2} \end{equation} $$
証明
$\dfrac{dH}{dx}$がディラックのデルタ関数になる二つの条件を満たしているか確認することで証拠を示す。
条件 $\eqref{condition1}$
$H(x)$は$x \neq 0$で定数関数であるため、$\dfrac{dH}{dx}=0$であり、$x=0$で接線が$y$軸に平行な垂直線であるため、微分係数は発散して$\dfrac{dH}{dx}=\infty$従って $$ \dfrac{dH}{dx} = \begin{cases} \infty & x=0 \\ 0 & x \neq 0 \end{cases} $$
条件 $\eqref{condition2}$
$$ \begin{align*} \int _{-\infty} ^{\infty} \dfrac{dH}{dx} dx &= \int_{-\infty} ^{\infty} dH \\ &= \left[ H \right]_{-\infty}^{\infty} \\ &= 1-0 =1 \end{align*} $$
$\dfrac{dH}{dx}$がディラックのデルタ関数になる二つの条件を共に満たしているため、以下の結果を得る。
$$ \dfrac{dH}{dx}=\delta (x) $$
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