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ダイナミクスにおけるチッピングポイント 📂動力学

ダイナミクスにおけるチッピングポイント

用語

動力学系で状態のあるタイプから別のタイプへの急激な転移を経験することをティッピングポイント現象phenomenon of tipping pointと呼ぶ1

説明

ティッピングポイント現象は例えば健康状態から急激に悪化する場合(生理学)、生物種が突然絶滅する場合(生態学)、北極の氷が溶けてしまう場合(気候学)など、特に転移後に元に戻れないno return状況で主に議論される。当然ティッピングポイント自体は「急激に変化すること」に重点を置いていて、不可逆性irreversibilityについて直接言及するものではないが、ほとんどの場合ヒステリシス現象を伴う。用語の混乱を減らすために簡潔に要約すると次の通りだ:

  • フォールド分岐: ティッピングポイントはフォールド分岐でのターニングポイントと同じで、ヒステリシスが発生する。前述したように学問的に注目を浴びる現象は大部分これに該当する。
  • 遅いが不可逆的な転移: ヒステリシスであり、ティッピングポイント現象とは呼べない。
  • 可逆的でも急速な転移: 何れにせよ一点で急激に変化したならティッピングポイントであり、ヒステリシスではない。

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  1. Panahi. (2023). Rate-induced tipping in complex high-dimensional ecological networks: https://doi.org/10.1073/pnas.2308820120 ↩︎