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マンデルブロ集合とジュリア集合 📂動力学

マンデルブロ集合とジュリア集合

定義

Pc:zz2+c P_{c} : z \mapsto z^{2} + c 複素平面 C\mathbb{C} で与えられた cCc \in \mathbb{C} に対して、上記のようにマップで定義された動力学系とその軌道 Pcn(z)P_{c}^{n} (z) を考えてみよう。

マンデルブロ集合 1

初期条件 z=0z = 0 に対して Pcn(z)P_{c}^{n} (z) が発散しないパラメータ cc集合 MMマンデルブロ集合Mandelbrot setと呼ぶ。 M=C{cC:limnPcn(0)=} M = \mathbb{C} \setminus \left\{ c \in \mathbb{C} : \lim_{n \to \infty} P_{c}^{n} (0) = \infty \right\}

ジュリア集合

与えられたパラメータ cc に対して Pcn(z)P_{c}^{n} (z) が発散しない初期条件 zz の集合 JcJ_{c}ジュリア集合Julia setと呼ぶ。 Jc=C{zC:limnPcn(z)=} J_{c} = \mathbb{C} \setminus \left\{ z \in \mathbb{C} : \lim_{n \to \infty} P_{c}^{n} (z) = \infty \right\}

説明

マンデルブロ集合とジュリア集合の関係は簡単に言えば、cc に興味を持つか zz に興味を持つかが逆の集合である。

Mandelbrot_sequence.gif

上記のGIFはマンデルブロ集合を拡大し続けることで現れる自己相似性を示している。マンデルブロ集合は典型的なフラクタルであり2、最初のフラクタルではなかったがコンピュータを用いて描かれたフラクタルの初例とされる。これは当時のマンデルブロがIBMに所属していてコンピュータへのアクセスが容易であったためである。

次はマンデルブロ集合に属する点を黒く、無限大に発散する点を白く塗った図である3

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次は与えられた cc に応じて変化するジュリア集合である4:

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  • (a): c=.17+.78ic = -.17 + .78i で周期-3シンクのベイスンが白く塗られている。
  • (b): (a)を拡大した様子。
  • (c): c=.38+.32ic = .38 + .32i で周期-5シンクのベイスンが白く塗られている。
  • (d): c=.32+.04ic = .32 + .04i で周期-11シンクのベイスンが白く塗られている。