ブーリアン環
📂抽象代数ブーリアン環
定義
R を環としよう。
- r∈R が r2=r を満たすなら、r を冪等元idempotent elementという。
- R の全ての元が冪元なら、R をブーリアン環boolean ringという。
説明
ブーリアン環は韓国語でそのまま’ブール環’となるが、聞こえがあまりよくないため英語発音をそのまま用いた。
線形代数学での射影が非常に有用な性質を多く持っているが、一般化された抽象代数学では言うまでもない。
ブーリアン環の例として最も有名なのは、‘ブール代数’とも呼ばれる
({True,False},OR,AND)
である。よく知られているように
True AND True=TrueFalse AND False=False
なのでこの環はブーリアン環となる。数学者にとってより馴染み深い例はZ2があり、当然ブーリアン環とZ2は同型である。
その一方で、ブーリアン環の性質として次のことが知られている。
定理
ブーリアン環は可換環である。
証明
ブーリアン環 R において a,b∈R ならば (a+b)∈R で
(a+b)2=(a+b)
分配法則によって
(a+b)2=(a+b)a+(a+b)b=a2+ba+ab+b2=(a+b)
a2=a そして b2=b なので
a+ba+ab+b=a+b
a と b は加法に関する逆元が存在するので、整理すると
ba+ab=0
両辺に ba の逆元 (−ba) を加えると ab=−ba となるので
ab=(ab)2=(−ba)2=(ba)2=ba
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関連項目