共役事前分布
📂数理統計学共役事前分布
定義
事前分布と事後分布が同じ分布族に属している場合、事前分布を共役事前分布conjugate priorと呼ぶ。
説明
ベイズ推定は本来、事前分布がどうであれ更新を通じてパラメーターを見つけるものだが、モデルについてある程度知っているならば、適切な事前分布を使用して数学的計算を簡単にし、結果を理解しやすくすることができる。
- (1) Bin(n,θ) の共役事前分布は θ∼Beta(α,β)
- (2) Poi(θ) の共役事前分布は θ∼Gamma(a,b)
- (3) 母分散 σ2 が分かっている場合、N(μ,σ2) の共役事前分布は μ∼N(μ0,τ02)
- (4) 母平均 μ が分かっている場合、N(μ,σ2) の共役事前分布は τ=σ21 に対して τ∼Gamma(a,b)
- (5) λ が分かっている場合、Gamma(a,λ) の共役事前分布は λ∼Gamma(a,b)
例
例えば、二項データに対するモデル p(y∣θ)=(yn)θy(1−θ)n−y を考えてみよう:
その共役事前分布 θ∼Beta(α,β) を考えてみると
π(θ)∝θα−1(1−θ)β−1
すると、θ の事後分布は
p(θ∣y)∝θy+α−1(1−θ)n−y+β−1
となり、これはベータ分布 θ∼Beta(y+α,n−y+β) を意味している。したがって、θ の事後平均は
E(θ∣y)=n+α+βy+α
であり、これは標本平均 ny と事前平均 α+βα の加重平均の形とも見られる。
E(θ∣y)=n+α+βnny+n+α+βα+βα+βα
したがって、標本 n が大きくなるほど、事前平均の影響力は減少し、頻度主義者の推論に近づくと考えられる。
共役事前分布という概念に再び焦点を当ててみると、事前分布をベータ分布で記述し、事後分布もベータ分布で表れたため、逐次分析が非常に容易であることが確認できた。二項分布のpmfとベータ分布のpdfが似ているため、数式で難しい部分はほとんどなく、スムーズに進む。