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モデル診断による残差の独立性の確認 📂統計的分析

モデル診断による残差の独立性の確認

診断法

直感的パターン認識

標準化残差図を使って回帰分析が正しく行われたかを確認できる。独立性を確かめるためには、残差図にはっきりした傾向が現れていないことが条件だ。残念ながら、独立性の診断は他の回帰分析の仮定に比べて非常に主観的になるしかない。

20180901_105407.png 独立性が欠けている一番よく見られる例は、上のように特定できない直線が現れることだ。偶然の可能性もあるけれど、通常はデータを理解していないか、重要なデータが抜けている時に現れる現象だ。

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一見、何の問題もなさそうだけど、よく見ると$9$ごとに同じパターンが繰り返されている。この程度の規則性が現れているならば、自信を持って独立性が欠けていると言える。この時、残差は自己相関Autocorrelationがあるとされ、時系列を含む分析を考慮するのが良い。

統計的検定

このような問題は、分析者自身がこれらのデータを見る目が悪いと思ったらダービン・ワトソン検定を使えば簡単に見つけられる。問題は、だからといってダービン・ワトソン検定を完全に信頼してはいけないということだ。ダービン・ワトソン検定は自己相関を見つけるだけで、独立性そのものについては保証できないからだ。下の図は理解を助けるために非常に作為的に作られたものだが、ダービン・ワトソン検定を通過しても独立性が欠けている例はいくらでもある。

20180901_105439.png 図では、残差が$0$にほぼ正確に当たる場合、次の二回も$0$に当たるが、最初の$0$がいつ現れるかはわからない。このような場合、残差の独立性には深刻な問題があると言えるが、自己相関があると言うには不規則すぎる。偶然の可能性もあるが、それを判断するのは完全に分析者の役割だ。

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