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並列回路の合成抵抗を簡単に求める方法 📂高校数学

並列回路の合成抵抗を簡単に求める方法

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上のような回路の合成抵抗を求めてみるとしよう。もちろん、下のように並列回路に変えれば、公式を通じて答えを求めることができる。

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抵抗が$n$個あるとき、並列の抵抗公式は$\displaystyle {{1} \over {R}} = {{1} \over {R_{1}}} + {{1} \over {R_{2}}} + \cdots + {{1} \over {R_{n}}}$だ。公式に抵抗を代入してみると

$$ \begin{align*} {{1} \over {R}} =& {{1} \over {2}} + {{1} \over {5}} + {{1} \over {5}} \\ =& {{1} \over {2}} + {{2} \over {5}} \\ =& {{5} \over {10}} + {{4} \over {10}} \\ =& {{9} \over {10}} \end{align*} $$

だから、合成抵抗は$1/R$の逆数である$\displaystyle R = {{10} \over {9}}$になる。

問題はこのような正統的な解法が意外と難しく、計算が多いことだ。当然のことながら、分数の加算であるため、通分する過程で小さな掛け算が多く、結果も逆数形で出る。抵抗問題を間違えたことがあるなら、加算でありえないほどのミスをしたり最後に逆数を取らないで間違えたりする。学年が上がるほど、与えられた時間内でどれだけ早く計算するかの勝負になる物理の特性上、並列抵抗は負担にならざるを得ない。合成抵抗を知らないで間違えるのではなく、心が急いでしまってせかせかしている間にミスが増えてしまうのだ。 これをより簡単で速く、あるいは少なくともミスは少なく解ける方法を紹介する。こちらの方法は、高校以下では大抵の抵抗が自然数で与えられるために使える方法だ。どこでも通用するわけではないが、それだからこそ解ける問題は確実に解く。

ヒント

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$2$と$5$の最小公倍数は$10$であり、$2 \Omega$は$10 \Omega$オームの抵抗を$5$個並列接続したものと見ることができる。同様に$5 \Omega$は$10 \Omega$オームの抵抗を$2$個並列接続したものと見ることができる。$2 \Omega$と$5 \Omega$を全部$10 \Omega$に変えたから、これからは$10 \Omega$の数だけで割れば計算が終わる。実際には$10 \Omega$の数は$9$個で、この方法で求めた合成抵抗は$\displaystyle {{10} \over {9}}$だ。分数の計算問題が最小公倍数を求めて単純に数を数える問題に変わるから、解法が早くなり検算もしやすい。厳密に言えば、事実上並列抵抗公式にもこのような計算が全部含まれているが、いくつかの細かい過程を省略して速度を上げたのだ。

[1]

$2 \Omega$、$3 \Omega$、$7 \Omega$の並列抵抗を求めなさい。

解法

  • 抵抗の最小公倍数は$42 \Omega$だ。
  • $2 \Omega$、$3 \Omega$、$7 \Omega$は、$42 \Omega$がそれぞれ$21$個、$14$個、$6$個並列接続されたものと同じだ。
  • だから、並列抵抗は$$\displaystyle R = {{42} \over {21 +14 +6 }} = {{42} \over {41}}$$

[2]

$3 \Omega$、$6 \Omega$、$10 \Omega$の並列抵抗を求めなさい。

解法

  • 抵抗の最小公倍数は$30 \Omega$だ。
  • $3 \Omega$、$6 \Omega$、$10 \Omega$は、$30 \Omega$がそれぞれ$10$個、$5$個、$3$個並列接続されたものと同じだ。
  • だから、並列抵抗は$$\displaystyle R = {{30} \over {10 +5 + 3 }} = {{5} \over {3}}$$