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理想気体の方程式 📂熱物理学

理想気体の方程式

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気体の分子数を$N$、体積を$V$、圧力を$p$、絶対温度を$T$とする。すると、次の式が成立し、これを理想気体方程式ideal gas equationと呼ぶ。

$$ pV = N k_{B} T $$

この時、$k_{B} = 1.3807 \times 10^{-23} J / K$をボルツマン定数boltzmann constantと呼ぶ。

説明

歴史的に見ると、実験法則から導かれ、後に気体運動論から数式的に導かれた。‘理想気体’方程式と呼ぶ理由は、式を導く過程で以下のような仮定が使われたからである。

  • 各分子の間には何の力も働かない。つまり、互いに引き合わない。
  • 各分子は大きさのない点粒子である。

現実には、分子は互いに相互作用をし、大きさがあるが、理論の単純さのために上記のように仮定される。地表で相対性理論を考慮せずにニュートン力学だけを使っても多くの現象をよく説明できるように、理想気体方程式も実際の気体をよく説明する。実際の気体は、系の分子量が少なく、温度が高く、圧力が低いほど理想気体に近づく。

理想気体方程式がすべての気体現象を説明するわけではない。相対論的効果を考慮する必要がある時は、相対論的気体モデルを、量子効果を考慮する必要がある時は、量子気体モデルを使用しなければならない。

理想気体方程式の定数を物質量$n$に対して表示すると$pV = nRT$の形で表すことができる。この時、$R$を気体定数と呼ぶが、熱力学ではほぼ半々で使われる。

導出

$$ p \propto \dfrac{1}{V} $$

一定の温度で、気体の圧力と体積に対して上記のような関係が成立し、これをボイルの法則boyle’s lawと言う。後にボイルとは無関係にエドメ・マリオットedme Mariotteも同じ事実を発見し、ボイル-マリオット法則とも言う。

$$ V \propto T $$

一定の圧力で、気体の体積と温度に対して上記のような関係が成立し、これをシャルルの法則charles’ lawと言う。

$$ p \propto T $$

気体の体積が一定の時、温度と圧力に対して上記のような関係が成立し、これをゲイ-リュサックの法則と言う。上の三つの比例式から、次の式を得る。

$$ p^{2}V \propto T^{2}/V \implies p^{2}V^{2} \propto T^{2} \implies pV \propto T $$

比例定数を$Nk_{B}$とすると、以下の結果を得る。

$$ pV = Nk_{B}T $$


  1. Stephen J. Blundell and Katherine M. Blundell, 熱物理学(Concepts in Thermal Physics, イ・ジェウ訳)(第2版、2014年)、p8-10 ↩︎