自然対数の級数形の導出と交代調和級数の収束性証明
📂微分積分学自然対数の級数形の導出と交代調和級数の収束性証明
整理
ln(1−x)=n=0∑∞n+1−xn+1
説明
ln(1−x) の級数形は比較的簡単に求められる。ln(1+x)の場合は、定理の結果として得られた式にxの代わりに−xを代入すればいい。
−ln(1−x)=x+2x2+3x3+4x4+⋯
xの代わりに(−x)を代入すると、
−ln(1+x)=−x+2x2−3x3+4x4−⋯
⟹ln(1+x)=x−2x2+3x3−4x4+⋯
一方でln(1+x)のxに1を代入すると、交代調和級数が収束することが分かる。
ln2=1−21+31−41+⋯
もちろん、厳密には−1<x<1から得られた級数展開なので、ln(1+x)がx=1で連続であることを述べ、次のように左極限を求める。
ln2===lnx→1lim(1+x)x→1limln(1+x)x→1−limn=0∑∞n+1(−x)n
この事実は主に絶対収束の概念を説明するための例としてよく使われるけど、交代調和級数は
n=1∑∞n(−1)n−1=1−21+31−41+⋯=ln2<∞
と収束する一方で、その絶対値の級数である調和級数は発散して
n=1∑∞n(−1)n−1=n=1∑∞n1=∞
が成立する。だから、「収束するからといって必ずしも絶対収束するわけではない」と説明する最も簡単な例になる。
証明
−1<x<1に対して等比数列の和∑n=0∞xnは次のようになる。
1−x1=1+x+x2+x3+⋯
両辺に積分を取ると、
−ln(1−x)=c+x+2x2+3x3+4x4+⋯
x=0の時−ln(1−0)=0=c+0なので$c=0
∴ln(1−x)=n=0∑∞n+1−xn+1
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