位相空間における最大値最小値定理の証明
📂位相幾何学位相空間における最大値最小値定理の証明
定理
コンパクト空間Xに対し、関数f:X→Rが連続であれば、全てのx∈Xに対してf(c)≤f(x)≤f(d)を満たすc,d∈Xが存在する。
説明
Rでは、コンパクトとは閉区間[a,b]であることと同値であるため、結局これは高校や解析学で習う定理の一般化である。トポロジーの難しい理論を使うだけあって、証明はむしろ簡単である。
証明
コンパクト空間に関する補助定理:f:X→Yとして、Xがコンパクトで、fが連続であるとする。
- [2]: Yがハウスドルフであれば、fは閉じた関数である。閉集合C⊂Xに対して、f(C)⊂Yは閉集合である。
f(X)はコンパクトであるため、開被覆O:={(−n,n) ∣ n∈N}に対して、
f(X)⊂n=1⋃m(−n,n)⊂O
を満たすmが存在する。補助定理1により、f(X)は有界であり、Rはハウスドルフ空間であるため、補助定理[2]により全体集合X⊂Xのイメージf(X)はRで閉集合である。f(X)が有界であるため、完備性公理により、
u:=supf(X)l:=inff(X)
が存在する。f(X)が閉集合であるため、
u,l∈f(X)f(c)=lf(d)=u
を満たすあるc,d∈Xが存在しなければならない。このc,dは全てのx∈Xに対してf(c)≤f(x)≤f(d)を満たす。
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参照