2次の斉次線形微分方程式の解の基本集合とロンスキアン
説明
$$ ay^{\prime \prime}+ by^\prime +cy=0 $$
上に与えられたような2階線型同次微分方程式を考えよう。微分演算子を$D := \dfrac{d}{dx}$と定義すれば、$\dfrac{d}{dx}y=Dy$であり、与えられた微分方程式は以下のようになる。
$$ (aD^2+bD+c)y=0 $$
つまり、与えられた微分方程式を解くということは、実際には$D$に対する2次方程式を解くことと同じである。したがって、2次方程式の解が2つあるので、2階微分方程式の解も2つある。では、私たちがすべきことは、互いに異なる2つの解を見つけることである。線型代数の言葉で言えば、互いに独立な2つの解を見つけなければならない。つまり、与えられた微分方程式の解空間solution spaceを生成する基底を見つけることと同じである。もし何かの過程で$y_{1}=3e^t$と$y_{2}=-2e^t$という2つの解を見つけたとしても、それらは独立ではないため、基底になることができず、基本集合でもない。独立な2つの解を見つけることによってのみ、解空間の基底になり、以下のように基底の線型結合の形で一般解を表現することができる。
$$ y=c_{1}y_{1} + c_2y_{2} $$
2つの関数の独立性は、ロンスキアンを使って知ることができる。したがって、$W(y_{1}, y_{2}) \ne 0$ならば、一般解は$y_{1}$と$y_{2}$の線型結合で表現することができ、それら2つを解の基本集合と呼ぶ。
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