logo

同次線形微分方程式の解の線形結合も解であることの証明 📂微分方程式

同次線形微分方程式の解の線形結合も解であることの証明

要旨1

y1,y2y_{1}, y_{2}ay+by+cy=0ay^{\prime \prime}+by^\prime +cy=0の解であればd1y1+d2y2d_{1}y_{1} + d_{2}y_{2}も解である。この時、d1,d2d_{1}, d_{2}は任意の定数である。

説明

証明を見れば分かるが、任意のnn次の線形同次微分方程式に対しても成立する。

証明

y1,y2y_{1}, y_{2}ay+by+cy=0ay^{\prime \prime}+by^\prime +cy=0の解だとしよう。すると以下の二つの式が成立する。

d1(ay1+by1+cy1)=0d2(ay2+by2+cy2)=0 \begin{align*} d_{1} (ay_{1}^{\prime \prime}+by_{1}^\prime + cy_{1} ) &=0 \\ d_{2} (ay_{2}^{\prime \prime}+by_{2}^\prime + cy_{2}) &=0 \end{align*}

d1y1+d2y2d_{1}y_{1} + d_{2}y_{2}を与えられた微分方程式に代入して00が出れば証明終了だ。

a(d1y1+d2y2)+b(d1y1+d2y2)+c(d1y1+d2y2)= ad1y1+ad2y2+bd1y1+bd2y2+cd1y1+cd2y2=d1(ay1+by1+cy1)+d2(ay2+by2+cy2)= 0 \begin{align*} &a(d_{1}y_{1}+d_2y_{2})^{\prime \prime}+b(d_{1}y_{1}+d_2y_{2})^\prime +c(d_{1}y_{1}+d_2y_{2}) \\ =&\ ad_{1}y_{1}^{\prime \prime} + ad_2y_{2}^{\prime \prime} + bd_{1}y_{1}^\prime + bd_2y_{2}^\prime + cd_{1}y_{1} + cd_2y_{2} \\ =&\d_{1}\left( ay_{1}^{\prime \prime} + by_{1}^\prime + cy_{1} \right) + d_2\left( ay_{2}^{\prime \prime} + by_{2}^\prime + cy_{2} \right) \\ =&\ 0 \end{align*}

仮定により、第一、第二の括弧が共に00であるため、式が成立する。従って、y1y_{1}y2y_{2}が与えられた微分方程式の解である時、d1y1+d2y2d_{1}y_{1}+d_2y_{2}も解である。


  1. William E. Boyce, Boyce’s Elementary Differential Equations and Boundary Value Problems (11th Edition, 2017), p112 ↩︎