同次線形微分方程式の解の線形結合も解であることの証明
要旨1
$y_{1}, y_{2}$が$ay^{\prime \prime}+by^\prime +cy=0$の解であれば$d_{1}y_{1} + d_{2}y_{2}$も解である。この時、$d_{1}, d_{2}$は任意の定数である。
説明
証明を見れば分かるが、任意の$n$次の線形同次微分方程式に対しても成立する。
証明
$y_{1}, y_{2}$が$ay^{\prime \prime}+by^\prime +cy=0$の解だとしよう。すると以下の二つの式が成立する。
$$ \begin{align*} d_{1} (ay_{1}^{\prime \prime}+by_{1}^\prime + cy_{1} ) &=0 \\ d_{2} (ay_{2}^{\prime \prime}+by_{2}^\prime + cy_{2}) &=0 \end{align*} $$
$d_{1}y_{1} + d_{2}y_{2}$を与えられた微分方程式に代入して$0$が出れば証明終了だ。
$$ \begin{align*} &a(d_{1}y_{1}+d_2y_{2})^{\prime \prime}+b(d_{1}y_{1}+d_2y_{2})^\prime +c(d_{1}y_{1}+d_2y_{2}) \\ =&\ ad_{1}y_{1}^{\prime \prime} + ad_2y_{2}^{\prime \prime} + bd_{1}y_{1}^\prime + bd_2y_{2}^\prime + cd_{1}y_{1} + cd_2y_{2} \\ =&\d_{1}\left( ay_{1}^{\prime \prime} + by_{1}^\prime + cy_{1} \right) + d_2\left( ay_{2}^{\prime \prime} + by_{2}^\prime + cy_{2} \right) \\ =&\ 0 \end{align*} $$
仮定により、第一、第二の括弧が共に$0$であるため、式が成立する。従って、$y_{1}$と$y_{2}$が与えられた微分方程式の解である時、$d_{1}y_{1}+d_2y_{2}$も解である。
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William E. Boyce, Boyce’s Elementary Differential Equations and Boundary Value Problems (11th Edition, 2017), p112 ↩︎