一様進行波の偏微分方程式の解
📂偏微分方程式一様進行波の偏微分方程式の解
定義
次の式を満たすuを一様な進行波uniform traveling waveという。
{ut+cux+au=0u(t,x)=f(x),t>0,t=0
ここで、tは時間、xは位置、u(t,x)は時間tの時の位置xでの波形を表す。fは初期条件で特にt=0の時の波形を表す。定数cは波の進行速度を表し、定数aの符号によって振幅が変わる。
説明


一様な進行波は時が経つにつれて一定の速度で移動する波である。定数aが正の場合、振幅は時間が経つにつれて上のように小さくなる。
- c=0ならば波は動かない、c>0ならばx軸の方向に移動し、c<0ならばx軸の反対方向に移動する。
- a=0ならば振幅は変わらず、a>0ならば振幅が徐々に小さくなり、a<0ならば振幅が徐々に大きくなる。
a,c=0ならば定常波の偏微分方程式になる。一様な進行波の偏微分方程式の解が存在する場合、解は次のようになる。
数理生物学での応用
∂t∂n+∂a∂n=−μ(a)n
フォン・フェアスター方程式は集団の年齢構造を一様な進行波でモデリングする。
解法
ステップ 1. 特性曲線x:=ct+ξを取る。
これは波の初期位置をξとして時間当たりcだけ移動することを示す。
ステップ 2. 新しい関数v(t,ξ):=u(t,x)を定義する。
するとu(t,ct+ξ)=v(t,x−ct)となり、多変数関数の連鎖律により
∂t∂u=∂t∂vdtdt+∂ξ∂vdtdξ=vt−cvξ∂x∂u=∂t∂vdxdt+∂ξ∂vdxdξ=0+vξ
一様な進行波を仮定しているため、vx=∂t∂vdxdt=0となる。
ステップ 3. u(t,x)=v(t,ξ)を代入する。
ut+cux+au===(vt−cvξ)+cvξ+avvt+av0
ステップ 4. 常微分方程式vt+av=0の両辺にeatをかける。
vteat+aveat=0⟺∂t∂(veat)=0
一方
f(x)====u(0,x)v(0,ξ)v(0,ξ)ea⋅0f(ξ)
となるので、f(ξ)=veatは定常波の偏微分方程式∂t∂(veat)=0の解となる。
ステップ 5. 再びv(t,ξ)=u(t,x)に戻す。
v(t,x)eat=f(ξ)より、u(t,x)=f(x−ct)e−atとなる。
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例題
1
- {ut−4ux+u=0u(t,x)=x2,t>0,t=0の解を求めよ。
解の公式u(t,x)=f(x−ct)e−atにc=−4とa=1を代入すると
u(t,x)=(x+4t)2e−t
検算すると
ut−4ux+u=[8(x+4t)−(x+4t)2]e−t−4⋅2(x+4t)e−t+(x+4t)2e−t=0
そして
u(0,x)=(x+0)2e−0=x2
だ。
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2
- {ut+2ux=1u(t,x)=e−x2,t>0,t=0の解を求めよ。
まず{wt+2wx=0w(t,x)=e−x2,t>0,t=0の解から求めよう。解の公式w(t,x)=f(x−ct)e−atにc=2とa=0を代入すると
w(t,x)=e−(x−2t)2
今、ある関数f,gについてu(t,x)=w(t,x)+f(t)+g(x)としよう。任意の定数k∈Rについてf(t)=ktそしてg(x)=21−kxとすると
ut+2ux=[wt+f′(t)]+2[wx+g′(x)]=(wt+2wx)+(k+221−k)=0+1
したがって
u(t,x)=e−(x−2t)2+kt+21−kx
は与えられた方程式の解となる。
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