ルベーグ可測関数
📂測度論ルベーグ可測関数
定義
関数 f:E∈R が全ての区間 I⊂R に対して
f−1(I)={x∈R ∣ f(x)∈I}∈M
であれば、f を (ルベーグ) 可測(Lesbegue) Measurableと言う。
- R=R∪{−∞,+∞} は、正負の無限大を含む 1次元ユークリッド空間 の拡張実数空間を指す。
同値条件
以下の命題は互いに同値である。
- (1): f はルベーグ可測関数である。
- (2): すべての r∈R に対して f−1(−∞,r]∈M
- (3): すべての r∈R に対して f−1(r,∞)∈M
- (4): すべての r∈R に対して f−1(−∞,r)∈M
- (5): すべての r∈R に対して f−1[r,∞)∈M
定理
- [1]: f が可測であるための必要十分条件は、すべての開集合 O に対して f−1(O)∈M であることである。
- [2]: D⊂E、D∈M の時、f∣E が可測であるための必要十分条件は、f∣D、f∣E∖D が可測であることである。
- f∣X は、定義域を X に制限し、f=f∣X を満たす縮小写像を意味する。
- 指示関数indicator functionとは、ある集合に属すれば 1、そうでなければ 0 を返す関数
1E(x)=χE(x)={10,x∈E,x∈/E
である。この定義は E∈M という条件を省略しているため、注意が必要である。
説明
より容易な操作のために、原像の定義である f−1(−∞,r)={x∈E ∣ f(x)<r} をそのまま使用する方が便利である。
ルベーグ可測関数の条件の下で全ての区間 I⊂R が f−1(I)={x∈R ∣ f(x)∈I}∈B を満たす場合、それは ボレル可測borel Measurableと呼ばれ、ボレル関数borel functionと呼ばれる。
拡張実数 R:=[−∞,∞] は、実数全体と無限大も一点として含むものである。これまでの解析学で無限は非常に難しく恐ろしい概念であったが、今は単に征服すべき対象に過ぎない。あまり怖がらずに、高校時代の柔軟な思考を取り戻そう。
一般的な可測空間を考えるとき、[1] は可測関数の定義にもなり得る。
証明
[1]
閉区間の場合、開区間の両端に2点を加えるだけで十分であるため、開区間だけを考えれば十分である。
(⇒)
開区間 Ak:=(ak,∞)、Bk:=(bk,∞) を定義すると、f が可測関数であるため、
f−1(Ak),f−1(Bk)∈M
任意の開集合 O⊂R は O=k=1⋃∞Ak∩Bk として表すことができるため、
f−1(O)=f−1[k=1⋃∞Ak∩Bk]=k=1⋃∞[f−1(Bk)∩f−1(Bk)]
σ-フィールドの性質により f−1(O)∈M である。
(⇐) すべての開集合 O⊂R に対して f−1(O)∈M であるから、すべての開区間 (a,b)⊂R に対しても f−1(a,b)∈M である。
可測関数の定義により、f は可測関数である。
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