接着補助定理の証明
定理
位相空間 $X,Y$ について、2つの閉集合 $A,B \subset X$ が $A \cup B = X$ を満たし、2つの 連続写像 $f : A \to Y$ と $g : B \to Y$ がすべての $x \in A \cap B$ に対して $f(x) = g(x)$ であるとしよう。すると、次のように定義される $h$ は 連続写像 である。 $$ h(x) : = \begin{cases} f(x), & x \in A \\ g(x), & x \in B \end{cases} $$
説明
付随補題(gluing lemma)とも呼ばれるこの補題は、文を読むだけで理解できるほど自明である。あえて補題という名が残り、証明までされている理由は、頻繁に使われるので名前を付けておく方が便宜上よく、かつ証明が可能だからだろう。
証明
$h$ が連続であることを示すために閉集合 $C \subset Y$ を考える。
$f$ と $g$ は連続だから $f^{-1}(C)$ は $A$ において閉集合であり、 $g^{-1}(C)$ は $B$ において閉集合である。仮定で $A$ と $B$ が $X$ において閉集合であるから、 $f^{-1}(C)$、 $g^{-1}(C)$ も $X$ において閉集合である。 $$ \begin{align*} h^{-1} (C) =& \left\{ x \in X \ | \ h(x) \in C \right\} \\ =& \left\{ x \in A \ | \ h(x) \in C \right\} \cup \left\{ x \in B \ | \ h(x) \in C \right\} \\ =& \left\{ x \in A \ | \ f(x) \in C \right\} \cup \left\{ x \in B \ | \ g(x) \in C \right\} \\ =& f^{-1} (C) \cup g^{-1} (C) \end{align*} $$ は $X$ における閉集合同士の和集合だから $h^{-1}(C)$ は $X$ において閉集合であり、 $h$ は 連続写像 である。
■
定義
経路 $p,q : [0,1] \to X$ が $p(1) = q(0)$ を満たすとしよう。すると $p*q : [0,1] \to X$ を次のように定義し、 $p,q$ の 積経路product path と呼ぶ。 $$ (p \ast\ q) (t) = \begin{cases} p(2t), & 0 \le t \le 1/2 \\ q(2t-1), & 1/2 \le t \le 1 \end{cases} $$
積経路は接着補題がちょうど一点で適用された概念と見なせ、経路連結性 の研究に有用に用いることができる。
ホモトピー
このように経路をつなぎ合わせることは、代数位相学algebraic topologyでの ホモトピー の研究につながり、接着補題自体も嫌になるほど頻繁に出てくる。
