微分方程式の分類
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説明
微分方程式を分類する基準はいくつかある。大きく常微分方程式か偏微分方程式かで分けられる。その次に係数と次数、線形/非線形でさらに細かく分類することができる。微分方程式を分類する理由は明らかに微分方程式を解くためである。微分方程式の分類によって解法も異なる。
常微分方程式と偏微分方程式
常微分方程式は一つかそれ以上の従属変数を一つの独立変数で微分した導関数のみを含む微分方程式を指す。通常ODEOrdinary Differential Equationと略される。
dxdydx2d2y+3dxdy−2ydtdy+dtdx=2y−1=0=2c
偏微分方程式は一つかそれ以上の従属変数を二つ以上の独立変数で微分した導関数を含む微分方程式である。簡単に言うと偏導関数を含む微分方程式だ。PDEPartial Differential Equationと略され、u=u(x,t)とすると、
∂x∂u−∂t∂u=0∂x2∂2u=c21∂t2∂2u
係数と次数
係数orderと次数degreeを区別せずに次数と呼ぶことが多いが、明確に異なる。意味がまったく変わってくるので、用語を正しく使う必要がある。2階導関数を2次導関数と言わないことを覚えておこう。英語で言うと最も確実で、実際にオーダーという言葉をよく使う。
微分方程式で係数は最大の微分回数を指す。赤色で表示された項が微分方程式の係数を決める。
x2dxdy+ydx2d2u+2(dxdy)3=0=5x
(1)は1階微分方程式、(2)は2階微分方程式である。微分方程式で次数は最高係数項の累乗回数を指す。赤色で表示された項が微分方程式の次数を決める。
x2(dx1d1y)1+y(dx3d3y)2+x2dxdy(dx2d2y)3+(dxdy)5+x2y=0=0=0
(3)は1階1次、(4)は3階2次、(5)は2階3次の微分式だ。
線形と非線形
以下のような形の微分方程式があるとき、n階線形微分方程式と言う。
an(x)dxndny+an−1(x)dxn−1dn−1y+⋯+a1(x)dxdy+a0(x)y=f(x)
各項の係数が独立変数xにのみ依存していれば線形である。つまり、上のような微分方程式をL(y)という関数で表現でき、Lが線形関数であれば、Lで表される微分方程式を線形と言う。
xdxdy
係数が従属変数yに依存する項が一つでもあれば非線形である。
L(y)=ydxdy⟹L(y+Y)=(y+Y)(dxdy+dxdY)=ydxdy+YdxdY=L(y)+L(Y)
同次と非同次
同次(非同次)と言うこともあるが、同次(非同次)という言葉をより多く使う。次のような微分方程式が与えられたとする。
an(x)dxndny+an−1(x)dxn−1dn−1y+⋯+a1(x)dxdy+a0(x)y=f(x)
f(x)=0であれば同次homogeneous、f(x)=0であれば非同次nonhomogenous, inhomogenousと言う。当然のことながら、同次微分方程式の方がずっと解きやすい。