拡張ユークリッドの定理の証明
📂整数論拡張ユークリッドの定理の証明
定理
二つの整数 a,b に対して、ax+by=gcd(a,b) は必ず整数解を持つ。
説明
この定理は、gcd(a,b) が a と b を含む線形式で表現できることを意味しているため、線形合同定理とも呼ばれる。
見た目が少し複雑で存在性のみを論じるため、直接使用することは難しいかもしれないが、意外と広く使用される。具体的な解 (x,y) を提供するわけではないが、a と b の関係式から出発できるというだけでも大きな収穫である。実際 x や y が何であるか知らないときには非常に便利に使用できる。
証明
初等的な証明
戦略:名前の通り、拡張ユークリッド定理はユークリッドの互除法を繰り返す。そのため、拡張ユークリッドアルゴリズムとも呼ばれる。
ユークリッドの互除法:ri<ri+1 に対して、漸化式 ri−1=qi+1⋅ri+ri+1 を満たすa:=r−1 とb:=r0 を定義しよう。rn+1=0 を満たすn に対して、rn=gcd(a,b)
ユークリッドの互除法によれば r1 は
r1=a−q1b
すなわち、a と b の線形結合として表せる。一方で
r2=b−q2r1
であり、直上の r1=a−q1b を代入すると
r2===b−q2r1b−q2(a−q1b)−q2a+(1+q1q2)b
となり、r2 も a と b の線形結合として表せる。これをn 回繰り返すと、rn はあるx,y∈Z に対して
rn=xa+yb
と表されるだろう。ユークリッドの互除法では rn=gcd(a,b) だから、(x,y) は ax+by=gcd(a,b) の解として存在する。
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代数的な証明
整数環 Z は PIDであるため、ベズー領域である。
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関連項目
一般化:ベズー領域
代数的証明で指摘したように、ある領域がベズー領域であれば、その場所がどこであっても拡張ユークリッド定理が成立する。