物理学における次元とは何か?
定義1
物理学における 次元dimensionとは、質量mass、長さlength、時間timeなど互いに区別される物理量の種類(あるいは基本的性質)を指す。
説明
最も代表的で基本的な物理量としては定義にもあるように質量、長さ、時間がある。とくに古典力学で現れる物理量はほとんどがこの三つの次元の組合せで表される。
二つの値の次元が異なるということは、それらが異なる種類の物理量であることを意味する。異なる種類の物理量は加減できない。質量、長さ、時間の次元はそれぞれ英語の頭文字を取って $\mathsf{M}$、$\mathsf{L}$、$\mathsf{T}$ と表すのが一般的だ。書体はサンセリフsans serif体を用いるのが一般的である。角括弧で囲んで表記することもある。例えば加速度 $a$ の次元は以下のとおりだ。
$$ \dim a = \dfrac{\mathsf{L}/\mathsf{T}}{\mathsf{T}} = \mathsf{L}\mathsf{T}^{-2} $$
類似の概念としては🔒(26/04/19)単位がある。表記上の最大の違いは、単位は小文字のローマン体で表記し、次元は大文字のサンセリフ体で表記するという点だ。もちろん単位が人名に由来する場合は大文字で表記することもある。物理量、次元、単位を混同しないよう注意すること。
| 物理量 | 次元 | SI 単位 |
|---|---|---|
| 質量 | $\mathsf{M}$ | キログラム $\mathrm{kg}$ |
| 長さ | $\mathsf{L}$ | メートル $\mathrm{m}$ |
| 時間 | $\mathsf{T}$ | 秒 $\mathrm{s}$ |
| 電流 | $\mathsf{I}$ | アンペア $\mathrm{A}$ |
| 温度 | $\mathsf{\Theta}$ | ケルビン $\mathrm{K}$ |
| 物質量 | $\mathsf{N}$ | モル $\mathrm{mol}$ |
| 光の強さ(光度) | $\mathsf{J}$ | カンデラ $\mathrm{cd}$ |
単位との違い
次元が物理量の種類を示す概念であるのに対し、単位は物理量の尺度を示す概念だ。次元は測定器具が変わっても変わらないが、単位は測定器具によって値が変わる。例えば $1\mathrm{m}$ の長さの棒を $1\mathrm{m}$ の定規で測ればその測定値は $1\mathrm{m}$ であり、$1\mathrm{cm}$ の定規で測れば $100\mathrm{cm}$ になる。しかし次元が $\mathsf{L}$ であるという事実は変わらない。
要約すると、次元は物理量を区別するための概念であり、単位は物理量に値を付け表現するための概念である。
関連項目
Grant R. Fowles and George L. Cassiday. Analytical Mechanics (7th Edition, 2005), p5-7. ↩︎
