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ボルツァーノ=ワイエルシュトラスの定理 📂解析学

ボルツァーノ=ワイエルシュトラスの定理

定理

無限集合 $E \subset \mathbb{R}$ が 有界ならば、$E$ の 集積点 $p \in \mathbb{R}$ が存在する。

説明

または、「有界数列は収束する部分数列を持つ」と言ってもいい。条件で$E$が必ずしも閉じている必要はないことに注意しよう。

証明

Part 1. $\displaystyle \bigcap_{n=1}^{\infty} I_{n} = \left\{ x \right\}$

仮定で$E$ が有界なので、$E \subset I_{1}$ を満たす閉区間 $I_{1} := [a,b]$ が存在する。ここで、$I_{2}$ を長さが $I_{1}$ の半分で、$E$の点を無限に含む区間として取ろう。このような過程を繰り返すことで、内包区間 $I_{n+1} \subset I_{n}$ を作ることができ、$I_{n}$ の長さは $\displaystyle d_{n} : = {{b-a} \over {2^{n}}}$ になる。

カントールの縮小区間定理: 内包された区間 $[a_{n}, b_{n}]$ に対して $\displaystyle \lim_{n \to \infty} (b_{n} - a_{n}) = 0$ ならば $\displaystyle \bigcap_{n=1}^{\infty} [a_{n}, b_{n}]$ は単一要素集合である。

$\displaystyle \lim_{n \to \infty} d_{n} = 0$ なので、縮小区間定理によって $\displaystyle \bigcap_{n=1}^{\infty} I_{n} = \left\{ x \right\}$ [NOTE : $x \in E$ が必ずしも必要ではない]


Part 2. $x$ は$E$の集積点

$x$ を含む開集合 $O$ を考えると、実数の密度によって、$(x - \varepsilon , x + \varepsilon ) \subset O$ となる $\varepsilon>0$ が存在する。先に見たように$\displaystyle \lim_{n \to \infty} d_{n} = 0$ なので、$\displaystyle d_{n_{0}} = {{b-a} \over {2^{n_{0}}}} < \varepsilon$ を満たす自然数 $n_{0}$ も存在するはずだから

$$ x \in I_{n_{0}} \subset (x - \varepsilon , x + \varepsilon ) \subset O $$

集積点: 実数上の点 $x \in \mathbb{R}$ と部分集合 $A \subset \mathbb{R}$ に対し、$x$を含む任意の開集合 $O$ に対して $ O \cap ( A \setminus \left\{ x \right\} ) \ne \emptyset $ ならば、$x$ を集積点と定義する。

$O$がどうであれ、$x$を含む開集合である限り、$\left( O \setminus \left\{ x \right\} \right) \cap E \ne \emptyset$しかない。したがって、$x$ は$E$の集積点となる。

参照