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コーシーの平均値の定理の証明 📂微分積分学

コーシーの平均値の定理の証明

概要1

解説

平均値の定理と変わったところ言えば、単に関数が一つ増えただけだ。$g(x) = x$としてみると、この$g$がもっと自由になったという意味で平均値の定理の一般化と言える。

証明

ロルの定理の対偶: $g ' (c)=0$を満たす$c$が$(a,b)$に存在しないならば$g(a) \ne g(b)$

定理の前提から$g ' (x) \ne 0$であるため、ロルの定理の対偶により$g(a) \ne g(b)$であることが保証される。それに基づいて、新しい関数$h : \mathbb{R} \to \mathbb{R}$を以下のように定義しよう。 $$ h(x) := \left[ g(b)-g(a) \right] \left[ f(b)-f(x) \right] - \left[ f(b)-f(a) \right] \left[ g(b)-g(x) \right] $$ $h$の定義によると$h(a)= 0 = h(b)$であり、今度はロルの定理により$h ' (c)=0$を満たす$c$が$(a,b)$に少なくとも一つ存在する。一方で、両辺を$x$に関して微分すると $$ h ' (x)=- \left[ g(b)-g(a) \right] f ' (x)+ \left[ f(b)-f(a) \right] g ' (x) $$ である。$h(x)$に$x=c$を代入すると $$ h ' (c)=- \left[ g(b)-g(a) \right] f ' (c)+ \left[ f(b)-f(a) \right] g ' (c)=0 $$ であり、整理すると$\displaystyle {{f ' (c)}\over{g ' (c)}}={{f(b)-f(a)}\over{g(b)-g(a)}}$を満たす$c$が$(a,b)$に少なくとも一つ存在することがわかる。

参照


  1. James Stewart, Daniel Clegg, and Saleem Watson, Calculus (early transcendentals, 9E), pA47-A48 $a < b$としよう。もし関数 $f,g : \mathbb{R} \to \mathbb{R}$が$[a,b]$のすべての点で連続であり、すべての$x \in (a,b)$で微分可能であり、かつ$g ' (x) \ne 0$ならば、以下を満たす$c \in (a,b)$が少なくとも一つ存在する。 $$ {{f ' (c)}\over{g ' (c)}}={{f(b)-f(a)}\over{g(b)-g(a)}} $$ ↩︎