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連結リー群 📂表現論

連結リー群

定義1

単位成分

行列リー群 $G$ に対して、$G$ の 単位成分identity componentとは次を満たす集合をいう。

$$ G_{0} := \left\{ A \in G : \text{$A$ has a continuous path $A(t)$, $a \le t \le b$, } \right. \\ \qquad \qquad \qquad \qquad \qquad \left. \text{lying in $G$ with $A(a) = I$ and $A(b) = A$} \right\} $$

説明

単位成分とは、単位元から自身まで至る連続経路が存在する行列の集合である。

以下の定理に従い単位成分 $G_{0}$ は行列リー群 $G$ の部分群であり、かつ閉集合でもあるため、実際には行列リー群となる。

種類

以下の行列リー群は連結である。

定理

$G$ が 行列リー群 であれば、$G$ の単位成分 $G_{0}$ は $G$ の 正規部分群である。

証明

$G_{0}$ を行列リー群 $G$ の単位成分とする。


第1段階: $G_{0}$ は $G$ の部分群である

$A, B \in G_{0}$ とする。すると $I$ においてそれぞれ $A$ と $B$ を結ぶ連続経路 $A(t)$ と $B(t)$ が存在する。

部分群判定法

群 $G$ の空でない部分集合 $H$ に対して、次の二条件を満たせば $H$ は $G$ の部分群である。

  1. $a$, $b \in H \implies ab \in H$
  2. $a \in H \implies a^{-1} \in H$

部分群判定法により $I$ から $AB$ を結ぶ連続経路と $I$ から $A^{-1}$ を結ぶ連続経路が存在することを示せばよい。$AB(t) = A(t)B(t)$ は連続関数の積であるため依然として連続であり、$G$ 上で $I$ から $AB$ までを結ぶ。したがって $AB \in G_{0}$ である。また $A^{-1}(t)$ は $G$ 上で $I$ から $A^{-1}$ までを結ぶ連続経路である。したがって $A^{-1} \in G_{0}$ であり、$G_{0}$ は $G$ の部分群である。


第2段階: $G_{0}$ は $G$ の正規部分群である

$A \in G_{0}$、および $B \in G$ とする。すると $G$ 上で $I$ から $A$ を結ぶ連続経路 $A(t)$ が存在する。すると $BA(t)B^{-1}$ は $G$ 上で $I$ から $BAB^{-1}$ までを結ぶ連続経路である。したがって $BAB^{-1} \in G_{0}$ であり、$G_{0}$ は $G$ の正規部分群である。

正規部分群判定

$$ \forall g \in G, \forall h \in H,\quad ghg^{-1} \in H \implies H \triangleleft G $$

$${}$$


  1. Brian C. Hall. Lie Groups, Lie Algebras, and Representations (2nd), p17-18 ↩︎