積分作用素
定義1
連続関数空間 $C[0 ,1]$に対して、次のように定義される作用素 $T : C[0, 1] \to C[0, 1]$を積分作用素という。
$$ y = Tx \qquad \text{where} \qquad y(s) = \int_{0}^{1} K(s, t) x(t) dt $$
この時、$K$を$T$のカーネル(核)という。(カーネル$K$は$[0, 1] \times [0, 1]$上で連続であると仮定される。)
説明
積分作用素は、積分変換とも呼ばれる。普通、$T$の定義域及び値域をベクター空間と見れば変換、ノルム空間と見れば作用素と言う。
定理
積分作用素は、線形であり、有界である。
証明
線形性: 定義により自明である。
有界:
連続関数空間$C[0, 1]$のノルムを次のように定義する。
$$ \left\| x \right\| := \max\limits_{t \in [0, 1]} \left| x(t) \right|,\qquad x \in C[0, 1] $$
まず、$\left| x(t) \right| \le \max\limits_{t \in [0, 1]} = \left\| x \right\|$である。さらに、$K$は連続であるため、閉区間上で有界である。
$$ \left| K(s, t) \right| \le K_{0}\quad \forall (s, t) \in [0, 1] $$
従って、次が得られ、$T$は有界である。
$$ \begin{align*} \left\| Tx \right\| &= \max\limits_{t \in [0, 1]} \left| \int\limits_{0}^{1} K(s, t) x(t) dt \right| \\ &\le \max\limits_{t \in [0, 1]} \int\limits_{0}^{1} \left| K(s, t) \right| \left| x(t) \right| dt \\ &\le K_{0} \left\| x \right\| \end{align*} $$
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Erwin Kreyszig, Introductory Functional Analysis with Applications (1978), p94 ↩︎