微分積分学におけるロルの定理の証明
定理1
関数 が で連続であり、 で微分可能であり、 の場合、 を満たす が に少なくとも一つ存在する。
説明
高校の授業では、平均値の定理を証明するための補助定理としてだけ紹介され、それ以外では全く使われないが、高校のレベルを超えると、時々補助定理として使われることがある。平均値の定理がより一般的なのは事実だが、 のような複雑な形を使う必要がない場合は、証明をより簡潔にする。
証明
戦略: が定数関数の場合とそうでない場合の二つに分けて、フェルマーの定理を適用する。
ケース 1. が定数関数の場合
であるため、 を満たす が に少なくとも一つ存在する。
ケース 2. が定数関数ではない場合
は極大または極小を持ち、 で微分可能なため、極点 に対して が存在する。
関数 が で極大または極小を持ち、 が存在するならば、
極点 は、フェルマーの定理により、 を満たさなければならない。
したがって、 が定数関数であろうとなかろうと、 を満たす が に少なくとも一つ存在する。
■
James Stewart, Daniel Clegg, and Saleem Watson, Calculus (early transcendentals, 9E), p290-291 ↩︎