3次元空間での内積とは?
定義
二つの3次元ベクトル$\mathbf{A} = (A_{x}, A_{y}, A_{z})$と$\mathbf{B} = (B_{x}, B_{y}, B_{z})$の内積を以下のように定義する。
$$ \mathbf{A} \cdot \mathbf{B} := A_{x}B_{x} + A_{y}B_{y} + A_{z}B_{z} $$
説明
実は上の定義は、具体的にはdot productドット積である。内積はinner productの訳で、これはよくもっと一般的な概念を指す時に使われる。しかし、普通高校や物理学の授業ではただ内積と言う。計算結果がスカラー(定数)であるため、スカラー積とも言う。
表記法
一般的に各成分の添え字を数字で表記し、以下のように$\sum$記号で示す。
$$ \mathbf{A} \cdot \mathbf{B} = A_{1}B_{1} + A_{2}B_{2} + A_{3}B_{3} = \sum_{i=1}^{3} A_{i}B_{i} = \delta_{ij}A_{i}B_{j} $$
この時、$\delta_{ij}$はクロネッカーのデルタである。
性質
$\left| \mathbf{A} \right| = \sqrt{A_{x}^{2} + A_{y}^{2} + A_{z}^{2}}$をベクトル$\mathbf{A}$の大きさとし、$\theta$をベクトル$\mathbf{A}$と$\mathbf{B}$の間の角度とすると、以下が成立する。 $$ \mathbf{A} \cdot \mathbf{B} = \left| \mathbf{A} \right| \left| \mathbf{B} \right| \cos\theta $$
直交する二つのベクトル$\mathbf{A}$と$\mathbf{B}$に対して、 $$ \mathbf{A} \cdot \mathbf{B} = 0 $$
ベクトルの大きさ: $\left| \mathbf{A} \right| = \sqrt{\mathbf{A} \cdot \mathbf{A}}$
交換法則: $\mathbf{A} \cdot \mathbf{B} = \mathbf{B} \cdot \mathbf{A}$
加法に対する分配法則: $\mathbf{A} \cdot (\mathbf{B} + \mathbf{C}) = \mathbf{A} \cdot \mathbf{B} + \mathbf{A} \cdot \mathbf{C}$